他の回答者とのやりとりに口を出すのはマナー違反かもしれませんが、マスコミという括り方をジャーナリストとすれば済む話。
教師や警察官・消防士などももちろんですが、ジャーナリストも大変大事な責任と使命を持った職業です。そのことに異論がある人はごくごく少数だと思われます。
ここでは奈良産業大学情報学部教授 亘 英太郎(わたり えいたろう)著
『ジャーナリズム「現」論』より抜粋したものを紹介いたします。
「ウォッチ・ドッグ」
チェック機能は、ジャーナリズムの生命である。欧米では象徴的にウォッチ・ドッグ(watchdog番犬)と表現されるこの監視・チェック機能こそ、メディアが健全な社会を作り維持するためにもっとも期待されている役割だ。メディアの存在理由であり基盤である。これを忘れてメディアが権力と癒着したり、メディア自身のモラルを低下させてセンセーショナリズムに走ったりすることは許されない。
多くの著名なジャーナリストやメディア研究者がチェック機能の重要性を繰り返し語ってきた。メディアやジャーナリストを、ある集団の「歩哨」や航海中の船の艦橋に立つ「見張り番」にたとえ、警戒すべき変化や危険の兆候をいち早く見つけて大声で叫ぶことの大切さが説明されている。歩哨や見張り番は、人々が寝ている間も懸命に監視を続け、自分を信頼してくれる人々の安全のために働くわけだ。まさにメディアの「監視機能」もそのような働きである。
社会の隅々に目を光らせ、社会の健全な発展を阻害するような変化や危険を見つけると大声で社会に知らせ、警戒を呼びかける。監視の対象は国や権力に限らない。巨大組織や大企業など、国民の生活と生命に大きな影響力を持つ機構、人物すべてが対象になる。もちろん、いまや大変な影響力を持つに至ったメディアも対象になる。監視するだけでなく、不正義を広く社会に告発・公表する役割も含まれている。
通常、権力や大組織の不正、腐敗といったことは、隠されている。従って、メディアは単に監視するだけでなく、これらの悪事を探り出し、発掘する必要がある。発掘には大変な困難が伴うが、懸命の努力で不公正を掘り出して公表し、権力や大組織の姿勢を改めさせるのがメディアの仕事と考えるべきだ。そのような業績の特に優れたものに、毎年、ピュリッツァー賞や日本新聞協会賞といったメディア界の最高栄誉が授与される。これらの賞は、単にスクープをほめ称えるのではなく、その報道が民主主義を守り、われわれの社会の腐敗を防ぐのに貢献したことをほめ称えているのである。
「社会と民主主義を守るのが自分たちの仕事であり、責任である」との確信を、すべてのメディア、ジャーナリストに持ってほしい。
ご参考まで・・
お礼
回答ありがとうございます。 丁寧に解説していただき感謝いたします。 参考になりました。