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philipsのCDプレーヤーについて
ヤフオクを見ていたのですがphilipsのCDプレーヤーがジャンク品にもかかわらず価格が高く取引されています。なぜなのでしょうか?マニアがたくさんおられるのでしょうか?
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Phlips は (CD 規格策定メーカー) ということもあって CD 黎明期にはプロ・スタジオ製品の LHH1000/LHH2000 といった製品を TDA1541A というオリジナル DAC (デジタル・アナログ・コンバーター) チップで供給しており、その後も SAA7331 や TDA1547 といったオリジナル・チップを生産して Marantz から高額の CD プレーヤーを供給していました。 現在でも Marantz 社の CD (DVD や SACD を含む) プレーヤーには Philips DAC 開発チームの流れを汲む CLCS (Cirrus Logics Crystal Semiconductor) 社の CS43xx シリーズ DAC が使われており、Marantz 社以外のメーカーは TIBB (Texas Instruments Burr Brown) 社製 PCM17xx シリーズ DAC チップを用いるものが殆どであるように、Philips 社製 DAC を用いた CD プレーヤーは希少価値が付くほど少数派であることから中古市場でも高値になります。 特に、ジャンク品であっても TDA1541A DAC チップを用いた CD プレーヤーは TDA1541A DAC チップをサルベージするマニアがいることから高額になります。(TDA1541A の選別品である TDA1541AS1 や TDA1541AS2 DAC チップを搭載したプレーヤーならば尚更です) HDCD や SACD が出る以前の Philips/Marantz CD プレーヤーは TD1541A のマルチビット DAC から SAA7331 や TDA1547 といったビット・ストリーム式と名付けられたビット・デプス (Bit Depth) 型シングル・ビット DAC に移行し、これに対して他社は旭化成だったか (自信ないです(汗)) が開発したビット・ワイズ (Bit Width) 型シングル・ビット DAC を採用したことから、その後も Philips/Marantz 社の CD プレーヤーは他社とは異なる独自の DAC チップで製品を送り出すことになります。 このシングル・ビット DAC というのは高周波で動作することから出力段の LPF (ロー・パス・フィルター) を簡素化できるメリットがあります。 トランジスタ・アンプが高額のトランスを廃するために OTL (アウトプット・トランスレス) 型をこぞって採用したのと同じ理由で、CD プレーヤー・メーカーは安価なポータブル CD プレーヤーを開発するためには高額の LPF を何とか廃したかったわけです。 マルチ・ビット DAC 時代の CD プレーヤーは出力段に 8 素子とか 10 素子もの CR (コンデンサ・レジスタ) フィルターを重ねた LPF を構成しなければならなかったことから LPF による音質劣化を最小限に止めるために高額の開発費が注ぎ込まれました。 一方、シングル・ビット DAC では僅か 2 素子の CR による LPF で済むことから電気回路部分のコストが大幅に削減され、ポータブル CD プレーヤーの値段を大幅に引き下げることができたわけです。 しかし、当時の技術力ではシングル・ビット DAC チップの動作速度を充分に高速化 (高周波化) することができず、シングル・ビット DAC 機は弱音域では歪みの少ない精緻な音質を得られるものの強音域では高域ほど追従性に難を呈して、甘く、ソフトな音質になる欠点がありました・・・そのためアナログ・アンプ部で敢えて高域をきつい音質にするといった手法が採られたものもあります。 現在の Marantz 社以外の CD プレーヤーがこぞって採用している TIBB 社製 DAC を作っていた Bur Brown 社はこのシングル・ビット DAC の欠点を克服するべく、上位ビット域ではマルチ・ビット、下位ビット域はシングル・ビットで動作するハイブリッド DAC を開発して今日の隆盛を得る基礎を築いたのですが、Philips 社は SAA7331 の欠点を是正すべく SAA7335 を開発したものの上手く行かず、シングル・チップであった SAA7331/7335 を 2 つのチップに分割して TDA1547 を加えた DAC 7 システムを開発するなど、DAC 回路の開発費が高騰した結果、CD プレーヤーも安価な製品を作れなくなって、どうしても他の回路にも高額部品を用いた高額の製品しか供給できないなんて時代もありました。 その後 Philips 社は高級オーディオ市場から手を引いて日本の Marantz 社にオーディオ製品開発を任せるようになったのですが、DAC の開発技術者も CS (Crystal Semiconductor) 社に移籍し、CS 社は 1990 年代のオーディオ業界再編成時代に CL (Cirrus Logics) 社に買収されて CLCS 社になっています。(Burr Brown 社も Texsas Instriuments 社に買収されて TIBB 社になっており、日本を代表する Marantz 社と Denon 社も 2002 年に合併して McIntosh 社を含む 7 ブランドを統合した米 Ripplewood Holdings 社傘下の D&M ホールディング社となり、現在は米 Bain Capital 社傘下になっています) 現在では早稲田大学で発明されたΔΣ変調回路を使用することによって強音高域での追従性に難を生じることなくシングル・ビット化できるようになったことから CLCS 社製 DAC チップも TIBB 社製 DAC チップも初段にΔΣ変調器を採用してシングル・ビット化した信号にノイズ・シェーパーなどのデジタル・フィルタリング処理を施した後に強音高域での追従性を損なわない精度である 4bit 精度や 5bit 精度のシングル・ビット DAC 回路を 6 段重ねることによって 24bit 精度の DAC チップを構成するようになっています。(どちらもマルチ・ビットを謳っていますが、正確にはマルチ・ステージ・シングル・ビットと言うべきもので、TDA1541A や PCM56/PCM58 のようなマルチ。ビット DAC チップとは根本的に異なるものです) しかし CLCS 社製 DAC チップは Philips TDA1541A の流れを汲む DEM (ダイナミック・エレメント・マッチング) という回路で各 bit 間の誤差を最少に抑えるようになっており、Marantz 社の CD プレーヤーは伝統的に Philips 系列である CLCS 社製 DAC チップを採用する唯一とも言えるメーカーになっています。 どの DAC チップが優れているかはユーザーの感性に負うところが大きいものですが、Philips 社製 DAC チップや CLCS 社製 DAC チップを用いるメーカーは Maratz 社を除けば数えるほどしかなく、特に 20 年以上前の DAC チップである TDA1541A やその選別品である TDA1541AS1 や TDA1541AS2 マルチビット DAC チップはチップ単体でも高額でオークションに出されるほどのプレミア・チップになっています。 ・・・というのが、Philips 製 CD プレーヤーがジャンク品でも高額である理由です。 Philips に限らず TDA1541A を使用していた Nakamichi 社のカー・ステレオ CD プレーヤーとか SONY の一部 CD プレーヤーなども高額になっていると思いますよ。
その他の回答 (3)
- superski
- ベストアンサー率19% (388/2010)
CDプレーヤーのリファレンス機だから人気があります。 レコードプレーヤーでいうところのトーレンスみたいなもの。
- e_Chikama
- ベストアンサー率29% (57/192)
私は、PHILIPS LHH800Rと今は無きマイクロのCD-M2を使用しています。 今でも活躍しています、中古市場でも人気が有りますね。 今までに色々なCDプレーヤーを聞いていますが、一番ですね。 音の傾向としては、アナログ(レコード)の音を相当意識して作られたと感じています。帯域を欲張らず音質に拘った音作りでしょうか、楽器1つ1つが浮き出ている様に感じています。 今のCD(SACD)との音作りが違うのでしょうかね。これが本当のマニアに好まれるのでしょうか? 内部や架体の作りが大変良いです、特にスイングアームが良いのですかね。 重さも相当な物です。このメカを採用した他の機器も有ります、全体的に中古相場が高いようです。 今、この機器を再現したプレーヤーを発売してほしい思います、真剣に購入を考えます。
- srxmk3pro
- ベストアンサー率53% (527/980)
「philips」は、ソニーと共に「CD」自体の規格決定にかかわった名門ブランドです。 その為、CDプレイヤー自体にも、すばらしい技術を所有し、同社の開発したメカや部品(DAコンバーターなど)を他社がこぞって利用したほどのものでした。 またCDプレイヤー登場時からその普及期までの時代、「マランツ」というブランドが、「philips」の傘下にあり(現在では違います)、普及価格帯~中級機までを「マランツ」に任せ、「philips」のCDプレイヤーは贅を尽くした高級機ばかりでした。 またデザインについても、当時の日本製とは違っており、それも人気を呼びました。(ただし「philips」のCDプレイヤーの中には「日本人デザイン」の製品もあります。)