今の状況から考えられる最悪の事態とは
炉心(あるいは保管プール)の燃料棒の大部分が溶けて崩壊し
燃料棒の近傍で水蒸気爆発が起きて燃料棒や原子炉を構成していた物質が飛散する
といった状況です
段階踏むと
こんな感じ↓
1.冷却不足で燃料棒が大量に溶け出す
現状では核燃料は被覆管に覆われて規則正しく並んでいます。
温度が極端に上がればこういった構造が崩れてしまいます。
構造が崩れると、
・外部へ洩れる放射線量が増える
・制御棒の働きが低下するためさらに発熱する
といったことが起きます。
↓
2.水蒸気に含まれる放射性物質が増加する
燃料が高温になり溶け出すと、
燃料のダイレクトな飛散はなくても、
水蒸気に混ざって漏洩する放射性物質が増加する可能性があります。
↓
3.炉心での大規模の爆発
燃料棒が極端に高温になれば水蒸気爆発などが起きます。
炉心で、原子炉が崩壊する程度の爆発が起きると
核燃料や原子炉の材料が発電所周囲に撒き散らされることになります。
高温で燃料棒の構造が完全に破壊されてしまえば、こういう事態も起こりえます。
この場合チェルノブイリと似た予後になるといえます。
周辺数km~数十kmといった地域で人が住めなくなるといったことになるでしょう。
最悪を想定したいということでしたら、
ご自分の自宅のほうにでも
高濃度の放射性物質が風にのって流れてくると思ってください。
しかし、仮に燃料そのもののような高密度な状態で物質が飛んできたとしても、
その放射線で即死するとかいうわけではない。
放射能は現在も水蒸気の形で洩れ出ていますが
現状でも、原発付近の濃度のまま
人のいるところへ流れてくるようなことがあれば
十分、健康を害します。
ですから、問題は、どこへどのように流れるかです。
避難したいのであれば事態が収まった後、
放射能の飛散状況が(必要な事態であれば)発表されるでしょうから
それを見て放射能が行き着かなかった地域へ移動してください。
政府の発表が信用できない人は
ご自分で簡易計測を試みたほうがいいでしょうね。
現時点では、(すでに移動した半径20km内を除いて)
移動を行ってもあまりメリットはないです。
放射能は放射線のように一瞬で飛んでくるわけではありません。
どの地域が汚染されたか判断するには月単位の時間がかかります。
下手に移動すると、
交通事故などで命を落とすリスクのほうが大きくなって逆効果です。
お礼
詳細に、ご回答ありがとうございました。早く危機を脱してほしいです。 作業員の方も、なんとしても生還して頂きたいです。