そのような理解で、良いと言えば良いのですが、悪いと言えば悪いです(曖昧な回答で申し訳ありません)。
自分もディーラーの担当者からは、そのように説明を受けました。
少しだけDCTについて説明しておきます。
DCTは最近欧州車で主流になりつつある、デュアルクラッチミッションのことです。
普通のATミッションは、ATFという液体を介して動力を伝達します。
そのため変速する際の変速ショックを最小限に抑えることができます。
しかし、固体同士の伝達機構ではないので、当然パワーのロスは発生します。
一方、MTはご存じの通り固体のクラッチを介して動力伝達をします。
ATのようにパワーロスは大きくありませんが、変速ショックが大きいという問題があります。
それから何より、クラッチを踏んで変速レバーを動かして変速、という一連の動作は、面倒でもありますし、最近(特に日本)ではあまり見かけませんよね。
一長一短ある両者ですが、パワーロス、変速ショックが小さく、ATのように自動で変速してくれるトランスミッションが理想なわけです。
そこで開発されたのがデュアルクラッチミッション。
この変速機には、クラッチが2枚搭載されています。
1枚は1、3、5…の奇数の段を担当。
もう1枚は2、4、6…の偶数の段を担当します。
※どちらかがリバースギアも担当します。
例を使って紹介しましょう。
まずアクセルを踏み込んでクルマが走り出します(ここではギアは1速)。
すると、次に変速するのは2速ですね。
そこで偶数段のクラッチが、2速を繋いで待っておきます。
ギアチェンジのポイントがくると、1速のギアを外すと同時に、繋いで待っていた2速のギアを締結させます。
その次も同様です。
クルマが加速しているようなら、奇数段のクラッチが3速を繋いで待っておきます。
減速していれば1速を繋いで待ちます。
このように、デュアルクラッチミッションは、ギアを“すり替える”だけで変速できるのです。
MTミッションの、クラッチを切る→ギアをチェンジ→クラッチを繋ぐ、という変速をせずに済みます。
ゆえに変速時間はおよそ0.02秒ほどと言われています。
変速時間が一瞬なので、ショックが少なく、個体同士の伝達なのでロスが少ない(=燃費も良い)、というのが売りです。
以上の点より、ディーラーなどでは“MTとATのいいとこ取り”と謳われるのです。
しかし、やはり変速ショックの大きさでは、ATに負けます。
ですから高級セダンにおいては、未だにATを採用している場合が多いです。
また、このミッションを採用すると、コスト面でも厳しくなります。
国産車で採用されているのは、今のところランエボとGT-Rだけのようです。
日本車で価格を上げて、デュアルクラッチを採用するぐらいならハイブリッドシステムを積むでしょう。
日本においてハイブリッドは非常に受けが良いですから。
したがって日本でデュアルクラッチの普及は、今の段階では難しいでしょう。
比較的新しいシステムで、まだ完全ではないですしね。
長々と書いてしまいました。
わかりにくい説明であったなら、申し訳ないです。
参考にしていただければ幸いです。