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テクスチャーについて質問です。
油絵を勉強中です。 好きな画家(モディリアーニ、ルフィーノタマヨ)の絵を見ていると、絵をはがしたりして(?)キャンバスの目が見えてたりするものがあったりします。 キャンバスの粗い目のものを使っているのですが、膠張りしてあるものを買ったせいかきれいにはがせません。 膠もやはり自分で塗ったりしてからやるものなのでしょうか。 膠は絶対塗ってからやるものなのでしょうか。 それと最初に下地を塗るかと思うのですが、普通のもの(ジェッソなど)を塗ってしまうとキャンバスにくっついてしまい(あたりまえなのですが)はがしたりするのはかなり力がいるし無理な気がしてます。 独特の下地作りが必要なのでしょうか。それとも剥がしたりしやすい何か特別な下地のようなものがあるのでしょうか。 それとホワイト(?)でかなり筆跡を残しながら厚めに塗ってから上に薄い色を塗って下のホワイト(?)のテクスチャーを見せているような作品があったりするのですが(うまく説明できないですが、、、)これはホワイト、、なのでしょうか。ホワイトと言ってもいろんな種類がありますし、ジェッソなのかホワイト(チタニウムホワイトとか)なのかよくわかりません。 うまく表現できていないのですが、テクスチャーについて何かご存知の方がいらっしゃったら是非教えて下さい。 またテクスチャー作りに何か参考になるような本などご存知でしたら教えて下さい。
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- hosidenshi
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絵画の絵肌、テクスチャにご興味をお持ちであることは非常にすばらしいことだと思います。 過去にも同様の質問を何度かされているところを見ると、まだ納得のいくテクスチャにたどり着けていないのだと思います。 それは当然のことで、どの画家も自らの理想とする絵肌を実現するためにプロとして創意工夫を繰り返しているわけで、そう簡単に同じようなテクスチャを再現できるはずがないのです。 「いいなあ」と思ったテクスチャを実現するために自ら試行錯誤を繰り返すことで絵具を始めとした画材全般の扱いにも慣れ、やがて欲しい絵肌を作るためにはどのような処方が必要なのかも自ずと推測出来るようになっていくものです。 キャンバスの膠引きは、油絵具の固化に伴う酸化によって麻布が侵されボロボロになってしまうのを防ぐための絶縁として行われます。油絵の技法としては必須の行程と言えます(ただし絶縁可能であればアクリルメディウムなどでも代用可能ですし、こちらの方が性能は高いかもしれません)。 荒目のキャンバスに膠引きをしたものを用いるのは、質問者様の考えるテクスチャを作るためには恐らく間違っていない選択だと思います。 通常、木枠に張って用いるキャンバスには、柔軟性のある半油性地~油性地の地塗りを施して用います。アクリルジェッソでももちろん構いません。これらの地塗りは、プロは自ら作ることも多いのですが、いずれにせよ地塗りは「強固に支持体(布)と結合し、かつ上層の絵具の食いつきを良くする」ために施されるのですからそもそも「はがしやすい」という考え方自体が馴染まないものです。 むしろ荒目のキャンバスは、その目を生かして地塗りを施さずに直接油絵具を乗せていったり、厚めのホワイトを盛り上げたり、ナイフやサンドペーパーで削ったり、その上から薄く溶いた絵の具を塗り重ねたり…を繰り返しながら徐々に複雑なテクスチャを作り上げていくのに向いています。油絵具の白は、成分的には油性地の地塗りと大差ありませんから、これを厚めに盛り上げたところは布の目が覆われてやや平滑になり、削り取ると直下の布地が現れます。一度ではうまくいきませんので、乾燥を挟みながら想像力を膨らませて何度かこれを繰り返して理想の絵肌に近づけていくのです。 ホワイトの厚塗りに薄い絵具をかけて…というのは油絵ではポピュラーな技法です。下に用いるホワイトは、チタニウムホワイト・シルバーホワイトなど油絵具のホワイトです。昔、油絵具を手練りしていた時代は、筆跡の残る固い絵具にするためには形成助剤として蜜蝋などを加えていましたが、最近の市販絵具は比較的固めでチューブから出した状態である程度筆跡が残ると思います。もし柔らかすぎる場合は古紙などで油抜きして用いますが、油を抜きすぎると塗膜が脆くなりますので注意して下さい。 厚めにテクスチャをつけながら塗ったホワイトが完全に固化した後、ワニスで緩く溶いた油絵具を多めに掛け、凸凹へのたまり具合でテクスチャを浮き立たせます。上掛けが乾燥する前にケバの出にくい布で余分を拭き取ったりしながらテクスチャをさらに強調するようなことも工夫のうちです。 あとは質問者様の創意工夫次第ですが、いずれにせよ「こうすればこうなります」と簡単にお伝えできるようなことではありませんし、自分で試行錯誤しないことには絶対に身につかないことでもありますから、ぜひ諦めずに色々工夫されるとよいと思います。 最後に、これらの技法は「削る」作業を伴うことが多いのですが、シルバーホワイトは鉛が主成分であり粉塵が人体に有害です。その他にも有害な絵具は多数ありますので、とくに絵具が粉状になる作業の際は充分にご注意下さい。
お礼
丁寧な回答、本当にありがとうございます。 過去にも回答を頂いた方でしょうか。まだまだ試行錯誤の毎日を送っております。 また何かしら似たような質問をしそうな気がしておりますが、地道に頑張っていきたいと思います。 本当にありがとうございました。