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対潜戦の流れとは?
- 対潜戦とは、潜水艦の発見、追跡、攻撃を行う戦術のことです。
- 潜水艦の発見はソナーなどの音響機器やレーダーなどの電波機器を使って行われます。
- 追跡と攻撃は、対潜ヘリコプターや対潜哨戒機、対潜艦などの潜水艦に対する攻撃手段を使って行われます。
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こんにちは >> どのタイミングでどの様な艦艇、航空機、装備等を用い、潜水艦の >> 発見、追跡、攻撃を行うのかが、よく分かりませんでした。 >> 時代や国によって変わってくる場合は、現代の日本領海内における >> 自衛隊(と在日米軍)の場合でお願いします。 現代の潜水艦は隠密性が極めて高く、一旦広い外洋に出てしまうと、 それを発見、追跡するのは極めて困難です。 従って、相手国(仮想敵国)の潜水艦は、潜水艦基地に停泊中の平時 より、重要な監視対象となっています。 監視の方法は人工衛星(偵察衛星)による停泊状態の監視の他、同基地 の周辺に"密かに"配備した潜水艦による出入港の監視、相手国潜水艦が 頻繁に通過すると思われる海域の海中に設置されたハイドロフォン等の 水中センサーによる水中音(航行音)の監視、哨戒機による上空からの 位置確認などによります それらが収集した情報は、一旦横須賀の自衛艦隊司令部にある海上作戦 情報支援センターに集約、分析され、場合によっては 上位の海上幕僚 監部の"海上作戦部隊指揮管制支援システム(通称:MOFシステム)"に、 その情報が配信されます。 全ての潜水艦のリアルタイムで、かつ正確な位置までは、もちろん解ら ないものの、どのタイプの潜水艦が概ねどの方面に展開しているか? 程度は、常時把握しているであろうと思われます。 さて、我が国の艦艇がある海域に作戦行動で進出する際、その方面には どのような敵性勢力が展開している可能性があるか?は、前述のMOF システムの情報端末(C2T)を通じ洋上にて随時、そのデータを取得する ことが出来ます。(余談ですが、ひゅうが にはその拡張型のシステムが 搭載されているようです) 仮に当該海域に、敵性勢力の潜水艦が展開していることが予想される 場合には、当該艦隊はMOFシステムの支援を受け"哨戒プラン"を作成 します。 状況により広域哨戒が必要な場合はMOFシステムを通じ、哨戒機による 支援を依頼します。 艦隊の支援をする哨戒機は当該作戦海域、及び味方艦隊の予定航路等に 事前に進出し、レーダー及び目視による海上監視を実施した後、ソノ ブイと呼ばれるリモート音響センサーを広い範囲に空中から投下散布し、 海中の音を広範にモニタリングします。 モニタリングされた音は機上で即座に処理され、潜水艦の有無が判断 されます。 潜水艦らしき音(データ)の存在が確認されると、その情報は即座に ASWOC(対潜作戦センター)に送られ、解析され、どのタイプの潜水艦 のものか?が判定され、前述の敵性勢力の潜水艦の動向情報と併せて 「どの国のどの型の(場合によっては艦番号も)潜水艦か?」を判定 し、MOFシステムを通じて洋上の艦隊に情報をフィードバックします。 潜水艦の艦種が判明したら、次は(同様にMOFシステムの支援を受けな がら)攻撃プランを策定します。 どのリソース(哨戒機、哨戒へり、護衛艦、潜水艦)をどのように組み 合わせて攻撃を行うか?については その時々の状況にもよりますが、 味方の潜水艦がその近くにおらず、また発見場所が艦隊から遠くの(概ね 100Km超の)場合には、まずは複数の航空機(哨戒機、哨戒へり)を使い、 それらが搭載する、ソノブイで、相手潜水艦が潜む海域を再度精緻に哨戒 し、その位置を特定します。 もしも敵性潜水艦が艦隊の近く(50Km以内)で発見された場合には、 3機以上の哨戒へりによるディッピングソナー(吊下式のアクティブ型 ソナー)を使った包囲網を形成し、その輪を徐々に狭めながら、位置の 特定を行います。 哨戒へり(SH-60K)にはAHCDS(先進戦術情報処理表示装置)という 人工知能技術を応用した戦闘支援システムが搭載されており、各種の 機上センサーにより得た情報を元に、最適な哨戒や攻撃方法を提示し、 かつ護衛艦及び僚機とその情報をリアルタイムに交換、共有しながら 迅速に相手(潜水艦)を追い込む能力を備えています。 位置の特定が出来たら、遠距離の場合は(哨戒中の)航空機から直接 短魚雷で、近距離の場合は同様に航空機から、または艦艇搭載のASROC により、攻撃を行います。 最後に書籍ですが 「ソノブイ感度あり~続・潜水艦を探せ~」岡崎 拓生著、かや書房 が面白かったですね。 元海自P-3パイロット岡崎氏の体験記で、対潜水艦戦の細かな戦術には あまり触れていませんが(まぁ当たり前かもしれませんが・・・)航空 機による哨戒ミッションの概要が解る本でした。
お礼
こんばんは。 回答有り難うございました。 お陰様で対潜戦の流れが分かりました。 しかし、潜水艦を探し出すというのは、かなり大変な事のようですね。 だからこそ、現代の海戦において潜水艦の運用が重要視されるのですね。。 又、書籍も紹介して頂き有り難うございました。 早速購入して(値段が少々お高いですが(汗))読んでみようと思います。