またまた回答が遅れて申し訳ありません。
疑問に対しての回答ですが、樹木を含む全ての植物には生長期(活動を
活発にして生育する時期)と休眠期(微妙に活動をしているが生長期と
比べると活動が鈍く、仮眠をしていると同じ時期)があります。
植替えや株分けや施肥が出来るのは生長期の間で、休眠期には何も出来
ません。開花させるには十分な体力が必要で、そのためには水分や養分
を多く根から吸収しなくてはいけません。休眠期の間に根を切っても、
生長期に入れば活動も活発になるので根も次第に出て来ます。
しかし活動が活発にしている生長期に根を切ってしまうと、開花に必要
な水分や養分が得られなくなるので、どうしても開花させるための体力
が不足して花を咲かせる事が出来なくなります。
樹木によって生長は様々ですから、1年で完全回復をする種類もあれば
数年は時間が必要な種類もあります。
植替えして3年を経過していても、樹木の根が十分に張り出して細かな
根を多く出さないと回復した事にはなりせん。
植替えによる開花の遅れがある事が、これで理解出来たでしょうか。
次に肥料ですが、3年経過しているので元気そうに見えるから、開花を
しないのは可笑しいと思われているようですが、前回に肥料の事を簡単
に書いたのは、開花に必要な要素を知って貰いたかったからです。
前回に僕が肥料の三要素を説明しましたが、この三種類だけでは植物は
生育しません。人間で言う主食と言うのが三種類の要素で、この三種類
が大量に必要な成分なわけです。
植物は9割が炭素と酸素と水素で出来ていて、残りの1割が13種類の
成分で作られています。この成分の中には自然界で得られる物や人間が
与える必要がある物も含まれています。
これらの成分の中で最も多く必要としているのが三要素です。
窒素は葉や茎や根に必要な成分で、元気に生育させるためには最も重要
な成分です。しかし与え過ぎると葉が多く茂るだけで花芽が付くにくく
なる性質があります。
燐酸は葉や茎や根の伸長を助けて、開花や結実の促進をさせる働きがあ
ります。花芽が少なかったり開花が遅れる原因は、燐酸が不足している
事が原因である事が多いです。
カリは植物の生理作用を調整し、気候の変化を考えたり病害虫に対して
の抵抗力を高めたりする働きがあります。
葉が茂って元気そうに見えると言われるので、僕は窒素分が燐酸分より
量が多くなっていると判断し、窒素分を少なくして燐酸分を増やした方
が良いと思い説明させて頂きました。
前回にも書きましたが、植替えと肥料の事だけで全ての花が開花しなく
なるとは言って居ません。開花しなかったり花芽が少なくなると書いた
はずです。遠回しな言い方をしていますが、上記に説明した事を読んで
貰えれば理解して貰えると思っています。
土は住まいであったり寝室でもあり、肥料は食事やオヤツと思って下さ
い。人間でもバランスの良い食事をしたり、気候に応じて衣替えをしま
すよね。人間と植物は根本的には違います。人間の都合で限られた場所
で生育するしかないのですから、それなりの手伝いは人間の手で行って
やる必要があると思います。
お礼
丁寧にご回答頂きありがとうございます。 今まで観葉植物や草花しか育てたことが無かったので樹木を植樹 する際に肥料を与えたことはありませんでした。 草花と違って樹木は成長力が強く地植えすると勝手に大きくなる くらいにしか思っていませんでした。 桜を植樹する際にも「せっかくだから肥料でも与えておこう」位の 軽い気持ちで観葉植物用の余った肥料を与えました。 成分によって成長の場所に影響が出るのですね。 本日、新しい桜を植樹しました。花木用の培養土の肥料成分を確認 して購入しましたが、窒素5、リン酸36、他でした。 ソメイヨシノにも寒肥を与えてみようと思います。 花木図鑑はいくつもありますが、正しくすることしか書いてなく 当り前ですが間違ったことをするとこうなるとは書いてありません。 今回、皆さんからご指導頂き大変よい勉強になりました。 ありがとうございました。