そうですね、質問者様の疑問ももっともなことだと思います。
よく、呼吸法といい、単独の呼吸の仕方だけでも多くの種類
があり、古代の中国でも盛んに行われていた様子です。また、
武術でも呼吸の大事さがクローズアップされることが多く、
「呼吸法」だけでも効果があると思われることでしょう。
私もそこそこ呼吸法を学び、行った時期もあります。確かに
効果はあると思います。ですが、動作を伴った方がより効果
が上がるのと、呼吸法に隠された危険性を会費できることが
あげられると思います。
単純に息を吸って吐くだけのことに何の危険性があるのか?
思われることでしょう。それこそ、呼吸は毎日四六時中行っ
ていることに危険性なんかあるわけがないと思われるでしょ
う。ところが、実はそこに落とし穴があるのです。自発的に
というか無意識的に行われている通常の呼吸は確かに危険性
はありません。危険性があったらそれだけで人類はここまで
の発展を遂げていないはずです。ところが、意識的に呼吸を
コントロールする方式に問題があります。
・過呼吸症候群の恐れ
これは意識的に呼吸数を増やすことで酸素が通常より多く
摂取することで起きる現状です。手先の痺れや場合によって
は失神することも考えられます。
・禅病の恐れ
これまた知られていないのですが、「禅」にも危険性があ
ります。ただ座って瞑想しているだけだろうと思われるかも
しれませんが、この部分が結構危険なのです。禅では「魔境
に入る」と言い、呼吸に合わせ瞑想を行っているうちに、幻
覚が現れる場合があります。この時に幻覚にとらわれてはい
けないと指導されるのですが、幻覚は脳が見せるもので、普
通それが現実か幻覚か判断つけにくいのです。そのため、そ
の幻覚捕らわれ、ひどい場合は精神的な病を被ってしまう場
合があります。
・呼吸によるエネルギー過多の恐れ
呼吸を行うことで細胞内の核酸の働きでエネルギーが生産
されます。動作を伴わなければこのエネルギーはどうなるの
でしょうか? 端的に言えば熱となります。この場合、のぼ
せた状態になり、更に高血圧を引き起こす場合もあるのです。
動作を伴うことでこれらの危険性を軽減することができるの
です。体を動かすことで、酸素もどんどん消費いたします。
体を動かすためには脳で体をコントロールする必要がありま
す。そのために、脳のかなりの部分を使うことになります。
例えば、右腕を伸ばし、次に肘を曲げ、更に頭上に上げる等
ということを行う場合には大脳を使用し、小脳も働かせない
と動作にはならないでしょう。体を動かすことによって、魔
境に入ることを抑制できるのです。また、呼吸によって生み
出されたエネルギーもどんどん消費することができます。
呼吸と共に体を動かすことのメリットは危険性の回避だけで
はありません。体を動かすことは筋肉を動かすことになりま
す。筋肉は動かせば動かすほど発達します。加齢によって筋
肉の発達の度合いは変わりますが、発達が続くことには変わ
りありません。筋肉が発達することで、筋繊維の断面積は増
えて行きます。それにより、単位面積当たりの出力は増えま
すし、断面積が増えれば血液流も増えることになります。全
身の消費カロリーは筋繊維の断面積が増えることで上昇しま
す。これはダイエットにも当然繋がります。単純な図式です
が、呼吸に合わせ体を動かすことでのぼせることなく体を温
めることができ、消費カロリーを高めることができるという
メリットもあります。
もちろん、これだけではありません。ヨガならば古代インド
にあった独自の医学のアールユーベーダーの考えに基づいた
考え方があると思われます。この辺りは僕は詳しくはないの
ですが、中国の経絡の考え方では、動きにより経絡を刺激し、
鍼や灸に匹敵する効果を期待できる面もある様です。
太極拳の限って言えばNO.1さんもおっしゃっておられる様に
武術です。そのために動作の一つ一つに攻防の意味がありま
す。詳しくは記載できませんが、呼吸を用いることで深部筋
肉郡を効果的に作動させることも期待できます。この、こと
は現在注目されている腸腰筋の活性化にもつながると思われ
ます。体の奥底から動かすことで内臓近くの血液流を多くす
ることで、健康面への効果が期待できると思います。
体を動かすことで体の様々な部位を意識することで、その効
果をより高めることができるということです。