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レトロウィルス(インフルエンザ)と子供への遺伝的な影響について

インフルエンザやHIVはレトロウィルスの一種と聞きます。 iPS細胞等を作成する場合にも利用される事があるようですが、ヒトがインフルエンザに感染した場合、ヒトのDNAにインフルエンザウィルスが入り込み、DNAに何らかしらの情報を書き込むようですが、癌など致死的など毒性が無かった場合、その書き変わったDNAが子孫に受け継がれる可能性はあるのでしょうか? また、様々なレトロウィルスがあるため、気付かないうちに、自身のDNAが少しずつ変化するなどという事はあるのでしょうか? 短期的な影響もですが、ここ10万年程度のヒトの変化を考えた時、ある意味、ヒトとウィルスはDNAレベルで姻戚関係にあったりしますか? ちょっと、不思議に思った疑問ですので、お暇がある時に教えていただけると幸いです。

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noname#160718
noname#160718
回答No.12

 Jagar39です。  「ウイルス」と「ウィルス」の違いについての私の回答(No.5)については、特に本質問に対する回答者のみなさんのことを念頭に置いての発言ではありません。あくまで一般論です。実はNo.5の回答を投稿した後で、No.1の回答者区分が"専門家"なっているのを見つけて(ありゃ、まずいな)と思っていた次第です。どうも大変失礼しました。  ともあれ、医師ではあるけれど微生物学については素人、などの「回答に関する自分のレベル」をきちんと表明することが質問者に対しては大切なことだと思っています。本来"経験者"とか"専門家"といった回答者区分も、そのためにある項目でしょうから。  まあ私はNo.5にも書いたとおり、ウイルスでもウィルスでも意味が通るならどっちでも良いと思っているので、"ウィルスは誤用である"と言い切る気もあまりありません。  これも書きましたが、私にとってはウイルスとウィルスは、似非専門家を見分けるリトマス試験紙みたいな認識だったりします。  ま、私も本質問に関しては、最初レトロウイルスの話だったので"専門家"を名乗ったわけですが、途中からヘパドナウイルスの話が中心になると(こりゃ"専門家"を名乗るのは適切じゃないなぁ)などと思いながら回答していたわけですが。  本当の「専門家」というのは、「自分が何を知っているか」ということを知っている人だと思っています。それはつまり同時に「自分は何を知らないか」ということを知っている、ということでもあるわけです。  ま、自戒の念も多々あるわけですが。  ウイルス遺伝子のインテグレードに関して、そのメカニズムを重視するかしないかは、「医師と獣医師」の違いではありません。「臨床医とウイルス屋」の違いです。「臨床医と防疫官」の違いでもあります。  臨床医にとっては、インテグレードされるメカニズムなど問題にはならないし興味の対象外でしょう。  でも、その感染症対策を講じる場合には"メカニズム"は非常に重要です。  例えば、Hepatology 2003 May;37(5):1172-9の文献を読んで考えることは、この報告ではx領域をターゲットにしたReal-Time PCRをやっている。x領域は肝細胞ゲノムにインテグレードされる領域なので、このデータからは検出されたHBV遺伝子が単に持続感染状態にあるウイルスゲノムを検出しているのかインテグレードされた肝細胞ゲノムの中のHBV遺伝子を検出しているのか区別はできないわけです。  それを区別しようとすれば、HBVのインテグレードされない領域をターゲットにReal-Time PCRをする必要があるだろう。それで試験してみて上手くいく(持続感染状態とインテグレードされた状態の識別が可能になる)と、次は感染初期から慢性期に至る様々なステージのデータを集積することによって、「病期のどの段階でインテグレードが起きやすいのか」が判ることが期待できるわけです。  それが判れば、HBV対策に何か打てる手が見つかることが期待できるわけです。(こりゃ打つ手が見つからないね、という結果になることもしばしばですが)  むろんその程度の研究は既に進んでいて知見が得られているのでしょうが。  というのがウイルス学に専門知識を持った防疫屋の思考回路です。  ですから、インテグレードされるされないという現象そのものより、私達にとってはメカニズムの方が重要です。同じインテグレードされるウイルスでも、レトロとヘパドナでは対処の仕方が大きく違うでしょうから。  獣医は人医ほど分業化が進んでないので、現場で治療もしながら(それも外科も内科も産科も何でもあり)採材もして、それを自分で実験してデータを出して分析もして、得られた知見を応用して現場の防疫対策を講じる、というところので1人でやることが多々あります。もちろんチームでの仕事なので、1人きりでやるわけではありませんが。  そういう仕事をしていると、現場的にはまったくどうでも良いような知見が、対策を立てる上では非常に重要、ということが頻繁にあります。

deep_tree
質問者

お礼

皆様へ 素人にも分かる様な(といっても100%の理解ではありませんが(^^)、とても分かり易い説明ありがとうございました。とても参考になりました!

その他の回答 (11)

  • ocha12345
  • ベストアンサー率84% (77/91)
回答No.1

医師です。 > インフルエンザやHIVはレトロウィルスの一種と聞きます。 HIVはレトロウィルスですが、インフルエンザはレトロウィルスではありません。レトロウィルスはHIVのほかはHTLVくらいだったように記憶していますが、私は微生物が専門ではないので詳細はお答えできません。 レトロウィルスというのは、RNAウィルスだが逆転写酵素を持ち、自分の遺伝子情報を宿主細胞に入れてしまうことのできるものだったはずです。インフルエンザウィルスに逆転写酵素はないので、レトロウィルスではないのです。

deep_tree
質問者

お礼

回答いただきありがとうございます。 インフルエンザも、HIVもレトロウイルスと勘違いしていました。 ご指摘ありがとうございます。