住宅ローン審査経験者です。
厳しい言い方をしてしまいます。
#1さまもおっしゃっていますが、「変動金利、固定金利どちらが良いか」を自身で判断できない人は、「変動金利型」は選ばない方がいいです。
おそらく、「現在の経済・金融情勢を考えると変動金利型がお得」という記事などを目にされたりして、変動金利型についての検討をされているのだと思いますが、変動金利型はご存じのとおり、一般的に「半年ごと」に金利の見直しがされます。
「将来、金利が上昇局面になったら、残りの全期間が固定金利になるようにすればいい。」というような記事もご覧になったことと思います。
では、ご質問者さまは「金利が上昇局面になったら」は、どのように判断されるのでしょうか?
金利は生き物だと思っていただいて構いません。
一旦上昇局面となっても、再び下降に転じる可能性もあります。
その「動き」を予想して、判断することができますか?
また、ミックスプランにされたとして、「繰上返済」をされることを考えた時、「どちらから」優先したらいいか、考えることはできますか?
あと、ご質問者さまは、「変動金利、固定金利」とおっしゃっていますが、これが住宅ローンの「基本契約」に関することでしたら、大雑把に書きますと
・変動金利型…市場の金利動向に合わせて金利が変化する
・固定金利型…金銭消費貸借契約で締結した金利が完済まで適用される
となります。
住宅ローンの場合、「変動金利型」の「基本契約」に追加して、『特約』を締結することにより、「一定期間の金利を固定します」というパターンもあります。
これを「固定金利選択型」「国定金利特約型」と呼んでいるのですが、一般の方の中には、「固定金利選択型」「国定金利特約型」を「固定金利型」と勘違いされている方も多く見受けられます。
ご質問者さまがおっしゃっている「変動金利、固定金利」の「固定金利」は、「基本契約の固定金利型」の話で間違いありませんか?
(ご質問文からそう拝察しましたが。)
では、ご質問者さまがご利用を検討中の金融機関から提示されている「金利」は何%なのでしょうか?
ご質問文にはその記載がありませんので…。
例えば…。
[適用予定金利]
固定金利型:3.00%
固定金利選択型(固定金利期間10年):1.80%(完済まで店頭表示金利よりも2.00%優遇)
変動金利型:1.775%(完済まで店頭表示金利よりも0.70%優遇)
というような場合でしたら、ご質問者さまのご家庭のライフプランも合わせて検討しなければ、とてもアドヴァイスは差し上げることはできません。
住宅ローンって、非常に個別性の高い商品なんですよ。
金融機関が提示している条件に加えて、それぞれのご家庭の「状況」なども合わせて考えなければ、より「お得」となるプランが考えられないんです。
> (2)変動金利だと、ローン実行の際の優遇が、35年に渡って変らずに続くのでしょうか?
これはご質問者さまが契約する「金利優遇に関する特約」の内容次第です。
金融機関によっても違います。
完済まで続くところもあれば、そうでないところもあります。
私が知っている範囲で、「酷いところ」では、「当初の優遇幅が適用されるのは、次回の金利見直し時まで」というところがありましたよ。
要するに、最大でも半年…ということですね。
特約書を隅から隅まできっちり読んでみてください。
特約書を拝見出来ない以上、「こうです」と回答することはできません。
> また、金利がいくら上がっても、最初の支払額から125%までしか支払額は増えないと聞いたことがあるのですが、本当でしょうか?
全くの間違いです。
「返済金額は5年に1度見直しがあり、見直し後の返済額は、直前(見直し前)の返済額の125%以上にはならない」です。
仮に「借入額:3,000万円 金利:1.775%(変動金利型) 返済期間:35年 元利均等返済 ボーナス返済なし」という条件で借りたとしますと、毎月の返済額は 95,950円となります。
5年間金利の変更がなかったが、ちょうど返済額の見直し時に金利が変更され、これまで1.775%だった金利が、61回目の返済から3.50%になった…という場合、見直し後の返済額は120,194円になります。
ですが、それまでの毎月の返済額が95,950円だったので、見直し後の返済額はその125%未満である119,937円までにしかできません。
だからと言って、不足分を返済しなくてもいい…ということにはなりませんよ。
繰上返済などをしなければ、そのまま「未払い利息」として計上されていき、借り手が損をするだけの仕組みになっています。
(3)ライフプランにもよると思いますが、実際にはどのぐらい手元に現金を残しておいた方が良いのでしょうか?引越し、家具代等除く(子3歳)。
引越し、家具代等除いてでしたら、200~300万円といったところだと思います。
突発的に必要となるお金は、「生活費の何%」とかではなく、どのような家庭であろうとも均一にかかってくることが多いからです。
さらに余裕を考えるのでしたら、「債務者の年収が半年無くなる」ことを想定され、「年収の半分」は残しておかれてもよろしいかと思います。例え「あまりお得ではない」ものであっても、半年とか1年の短期で運用が可能な商品での運用をお考えになられるのがよろしいかと思います。
> (4)今現在給与振込み等で利用している銀行が2人とも同じ銀行です。
> そういった銀行の方が優遇幅が大きかったりするのでしょうか?
給与振込等は、銀行によっては、住宅ローンを融資する「基本的な条件」だったりしますので、「やっていれば融資するけれど、やってくれなければ融資はしない」という程度のレベルのものです。
金利優遇の条件だったりもします。「やっていれば金利優遇を適用するけれど、やってくれないならば金利優遇なし」というカンジです。
さらに有利になる話ではないですね。
逆に、どの金融機関でも「新規の優良顧客」は獲得したいですから、場合によっては、お取り引きのない銀行の方が、有利な条件を出してくることもありますよ。
ただし、金利の優遇幅だけに目を取られずに、住宅ローンの借り入れに必要な諸費用、繰上返済手数料などの「諸費用」や「保証料率」なども含めてお考えになられるとよろしいかと思います。
いずれにせよ、ハウスメーカーなどに任せきりにされずに、ご自身で、複数の金融機関に出向かれ、相談されることをお勧めします。
> (5)二人共正社員で働いている為(今後も正社員じゃなくてもパート等で働く予定)共有名義にしようと思っています。リスク等ありますでしょうか?
双方ともに収入がおありですし、借入額からしますと、妻を収入合算者にして連帯保証人にする…というパターンよりは、「連帯債務」にされて、双方が住宅ローン控除を受けられるようにされた方がよろしいでしょうね。
物件の所有割合も、「出資」に合わせて配分されるとよろしいかと思います。
「連帯債務」でしたら、「団体信用生命保険」も双方が加入することになると思いますし。
ただし、住宅ローンを借りられるときにはほとんどの方が考えられていないのですが(当然のことながら)、その反面、このサイトでも質問が多いのが「共有名義の物件・住宅ローンの離婚の際の対応」です。
お子さんが3歳とのことですので、金融機関では「まだ次の子の可能性がある」と考えます。
ですから、「妻の収入がゼロになっても返済が可能な条件か」を考えてシミュレートされ、返済を考えてみてください。
ご質問文に年齢の記載がありませんので、返済期間を35年で考えましたが、一度、返済期間を「現在の一般的な定年年齢である60歳までに完済すること」を条件にして、シミュレートしてください。
要するに、シミュレートの際に、返済期間を「60歳-現在の年齢-1歳」で設定してみてください。
また、これも#1さまがおっしゃっているとおり、適用金利を3.00%程度にして、ボーナス返済なしでシミュレートしてみてください。
そのシミュレートで得られた「毎月の返済金額」を、現在のご主人の毎月の手取り給与から差し引いて、かつ、妻の収入がゼロとして、それでも、現在と同レベルの生活ができそうならば、そのお借り入れには無理がないものと考えられます。
お礼
petertalk様 毎回の、大変参考になるお返事ありがとうございます。 「それに変動で借りたところで、金利を読む必要などないのですよ。 金利を読むこと自体不可能だし、読んだところで、 金利の変動に対して打つ手はありません。 それよりも、借り手の打つ手は繰上げ返済と借り換えです。」 これは本当に心強いお言葉です。そして、全くその通りだと思います。 返す目標を決め、毎月の資金計画を行い、うまく返していくことが重要ですよね。 また、贈与税に関してもうまくやっていこうと思います。 当面は正社員でいきたいと考えているので、そのうちにどんどん貯めて返して、そうなった場合の策も講じておきます。 主人もその辺を理解してくれています。 これで気持ちが大変すっきりしました。 やはり自分の考えが合っているのか間違っているのか自信が無かった為、数名のFPやこの様な場で質問をさせて頂きました。 今後ともアドバイス頂ければ幸いです。 ありがとうございました。