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バランスドアーマチュア型イヤホンとマグネチックスピーカー
現在比較的高価格のオーディオ用に使われている「バランスドアーマチュア型イヤホン」の動作原理は昔の真空管ラジオ(普及品)に使用されていた「マグネチックスピーカー」の動作原理と基本的な部分(音声電流により磁石とアーマチュア(可動鉄片)の間の吸引力を変化させて、そのアーマチュアの振動を振動板に伝えて音を出す)は同様だと思います。 しかしこのマグネチックスピーカーは音質がよくないため(ことに200サイクル以下の低音部と4000サイクル以上の高音部の再生が不十分)、ダイナミックコーン型のスピーカーに取って代わられたと昔のラジオ技術の教科書には書かれていました。私は木のスピーカーボックスに入ったマグネチックスピーカーを入手して自作の真空管ラジオ(高一)に接続して聞いていますが、確かに低音も高音も出ない特有の音です。(戦前の歌謡曲の放送などを聴くと雰囲気があって個人的には好きですが)同様の原理で作動するものであるにもかかわらず、スピーカーのような大型の機器では音質が悪いものしか作れず、イヤホンのような小型の機器では音質がよいものを製作出来るのはなぜでしょうか?
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イヤホンを含めたヘッドフォンの歴史でも、かつてダイナミック型の完成度が高まるまでの過渡期にバランスドアーマチュア型が採用された時代がありました。(添付図参照) やがてダイナミック型が完成した後、姿を消した訳ですが、ダイナミック型がむかしと比べて振動板の軽量・高剛性化や磁石の強力化で格段の進歩を遂げたように、現在の技術では以前より高音質のものができるようになりました。 イヤホンに関してはダイナミック型ドライバと比較したときのバランスド・アーマチュア型の利点としては、小型化が可能なことや、より高い出力が得られること、高域の再現力が高いことなどが挙げられます。 そうしたことをふまえて補聴器を作っていたメーカーの技術から派生して比較的高価格のオーディオ用イヤホンが販売されるようになりました。 しかし、ダイナミック型に比べ再生帯域が狭いということは、完全に克服された訳ではありません。カタログスペックだけを比較すると現代でもダイナミック型より帯域は狭いです。 しかし音楽を聴く上で必要な帯域は確保されているので、製品化され、今日に至ります。また高級品では低域・高域に特化した設計をした、2ウェイ型、3ウェイ型の製品もでています。
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- DAV
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昔のマグネチックスピーカー時代は、マイクをはじめ放送機材自体の周波数帯域がせまかったため、アーマチュア(可動鉄片)やコーン、ダンパーなどすべてがその再生帯域に合わせて固めの材料でできていたのではないでしょうか。 動作原理では、音声電流に比例して可動鉄片が動きますので、保持材の材質を再生帯域に合わせて柔軟な材料を使えば音域は拡大できると思います。 スピーカーがマグネチック型からダイナミック型に変わったのは、音質の問題もありますが音量の問題の方が大きかったのではないでしょうか。
お礼
回答ありがとうございます。このマグネチック型は「通常最大出力1W以下の受信機に使われる」とありました。理由は、極片とアーマチュアとの間に働く力は、振幅が小さいうちはコイルに流れる電流に比例するが、電流が大きくなると振幅がこれに比例しなくなり、ひずみが起こり易いからだということです。ご指摘のようにラジオの音声出力が大きくなってゆくのに(例えば出力管が6Z-P1から42になると)対応が困難だったということも確かにありそうです。
お礼
図解付きのわかり易い回答ありがとうございます。実は最近バランスドアーマチュア型のイヤホンを購入してその音質の良さ(特に高音域の美しさ)に驚くとともに、マグネチックスピーカーの音を思い出して、「同じ原理なのになんでこんなに音質が違うのか」と感じたのが、この質問をしたきっかけです。原理的に大型のスピーカーでは弱点(短所)となることが、逆に小型のイヤホンでは利点(長所)となる場合もありそうですね。