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紳士が持つべき鞄
雑誌でハケット氏が旅行などで鞄を1つ以上持つのは野暮だと仰っていました。しかし、私は旅行時にポリカのトロリー・スーツ・ケースを使いますので、どうしてももう1つショルダー・バッグなどが必要になる気がします。くだらない質問で済みませんが。。。 日本人は鞄好きだと言われます。例えばバーブァーのジャケットなどを着ているとバッグは必要ないですが、欧米人の紳士は普段でもなるべく鞄を持たないことが粋だと思っているようですが、実際どうなのでしょうか? 鞄に対する紳士道というか、国際的にも通用するマナー、海外事情みたいなものを御教示下さると嬉しいです。
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No.4の回答者の方へ:まず、このような場で御自身の思われるところ を自由に述べられるのは当然であり、大変結構なことです。 ジェレミー ハケットという人物は、約30年に渡って英国で 紳士衣料品関連のビジネスに携わっており、自身の名を冠した "Hackett"という店舗を運営、日本においても現在伊勢丹や三越に 店舗があります。比較的若い世代にも人気があり、私が書いた 先述の文章を”よくお読みいただければ”ご理解いただけると 思いますが、”アッパークラスの出身ではありません”、が、 英国紳士階級の服飾文化の”勘所”を良く理解し、彼なりの解釈を 加え、欧米のアッパークラスの人達や日本などで、”彼のスタイル” の信奉者がおり、最近は"Mr.Classic"という愛称でも知られています。 要するに現代的英国紳士服のスタイルを好む人達からは一種の カリスマとしてもみなされている方でもあるのです。 私自身は昔一緒に仕事をしたことがありますが、現在は特に親交が あるわけではありません。 従って彼のような人物にはマスメディアもコメントを求めることと なるわけで、実際英国においても新聞等にて自身の服飾コラムを持ち 人気を博しています。また日本の紳士服飾雑誌のインタビューも 煩雑に受けており、そうなれば彼が普段”自身の内に秘めている服飾 哲学や個人的な嗜好をあえて披露すること”を求められもするわけ です。No.4さんが言われる通り、アッパークラスの人達はあまり このようなことを雑誌等でコメントしませんが、氏にとっては、 このようなことが正に彼のビジネスのポイントであるのです。 それから”ファッション”と”スタイル”について 日本人は言葉の意味の違いを全く理解していません。ファッションは単に”流行”と いう意味が正しいのであって、故に車のデザインや料理、演劇など、 全てに”ファッションは存在”するのです。”おそらくほとんどの 日本人はファッションを”洋服”とか”服装”という意味で 使っているのだろう。”と当地で聞かれることがあります。 アッパークラスの人達の中に”ファッション”即ち流行が好きな人 がいないわけではありませんが、概ね彼らが大切にするのは、 ”スタイル”、即ち彼らが築いた彼ら自身の”様式”なのです。 スタイルとは大衆レベルにまで認知された”様式”のことを意味するのです。よって”アッパークラスのファション”というのは適切とは 言えず、”アッパークラスのスタイル”というのが適切です。 彼らには彼らであることを身内及び周囲に示すための”様式”が 必要なのです。(その方がお互い口で余計な説明をせずに楽)周囲、 つまり平民階級にまで知られた彼らの”スタイル”もありますが、 そうではない身内にだけ通用する”スタイル、様式”もまだまだあり、 平民階級出身のハケット氏などは、そうした”非公開”のスタイルに ついてなぜか知り、そしてそれを欲する、つまり色々な意味で アッパークラスの輪の中に入りたい顧客らに開示している部分も あるのです。 戦後、貴族制度が廃された日本においては厳密な意味では ”紳士”階級はいなくなりました。gentlemanを紳士と和訳した以上、 御自身の思い込みや解釈を開陳されるのも自由で結構なことですが、 やはり”ファッション”と同じく、21世紀にさらに世界で飛躍する ことが必要な我々日本人にとっては外来の言葉の本来の、正しい意味 をしっかり理解することが基本であり、より重要さになってきている ことであると思います。 さて、Barbourについては、私もコメントを様々なところで書いて はいますが、欧州大陸、ドイツ人ジャーナリストのベルンハルト レッツェル氏が、その名も”Gentlemen"という美しい装丁の本の中で、 Barbourについて書いています。大陸側の人間がどう思っているのか、 御興味あれば御一読されるとよいでしょう。私のオフィスの正面には ハーバード大学のクラブがあり、裏手にはプリンストン大学の クラブがあります。また仕事柄ケンブリッジや、オックスフォード を卒業した顧客や、英国貴族と実際話しをしたことがありますが、 確かに元来カントリーサイドのものではあるのですが、彼らの中には 愛着がある故に日常またはタウンで着ている人達もいるのです。 当地ニューヨークやロンドンの街中を歩けば肌で感じられると 思います。 いずれにしても、このようなことについて白黒はっきりすること など元より難しく、少しでも多くの対象をリサーチして、その中の傾向を探り出す、導き出していくことしか出来ないのですが、またそれが 唯一の正しいやり方なのです。
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- Jumeirah
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うーーむ、ハケット氏がどのような方かは存じ上げませんが、本当のイギリスのアッパークラスの方は雑誌などでファッション云々はコメントしないような気がします。 紳士かそうでないかは、その人の醸し出す雰囲気(言葉遣いや友人のコネクション)や持ち物から推測される生活レベル…などが問題ではないでしょうか。 それから、鞄一つでよいというのは、ショーファーが同行しているからと思います。 鞄メーカーとしては、ロイヤルワラントのあるPapworth、 Ettinger、SMYTHONもおすすめですよ。 余談ですが、Barbourのジャケットを街中で着るのは、紳士ではないように思われます。
- hermesnoel
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ホテルに着いて、 スーツケースだけを預け、ショルダーバッグを持って出かける。 実にスマートだと思います。
お礼
ご回答有難う御座いました。
- Aoki Ken(@kenaoki)
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ニューヨークから失礼します。以上のような御質問なので、少々 長くなりますが、お読みください。 ライセンスの関係でジェレミー ハケットとは かつて一緒に仕事 をしたことがあります。 正直”紳士”というものについては、日本人にはなかなかわかり にくい部分があります。簡単に言ってしまえば社会的階級のひとつ なのですが、紳士の本場英国と言っても、紳士と呼べる人達の数は 極く限られています。特に世襲貴族については1,000人いません。 日本においては多少世間的に見て外見が英国風のお洒落をしていたり、 マナーや立ち居振る舞いが洗練されている人達の立ちことを紳士と いう”傾向”があるのだろうと思いますが、あまりに本物に対して 無知であり、中身が伴っているとは言いがたい人も多いです。西洋 という、東洋の日本から見れば別世界のものについて、何も知らずに 勝手な解釈を加えているのを若い人達を中心に見かけることが ありますが、逆のケース、つまり外国の人が日本の着物をただ出鱈目 に着てたりするのを見て日本人は決していい印象を持たないのと同じ ように、もし外国のものに対して何も知らないのであれば、まずは 知ろうという努力をすることが大切なことでしょう。外国に行く予定 があるとかないとかは全く関係のないことです。これは、マナー、 礼儀作法の問題です。礼儀作法は、相手に対するリスペクトがあって はじめて成り立つものなのです。 英国のように歴史によって培われてきた”スタイル”と呼べるもの には、移り変わりの激しい”ファッション”とはいささか次元が異なる ものがありますから、やはり一にも二にも勉強を積み重ねていくことが必要です。日本人はまずは、スタイルとファッションの違いから勉強 しないといけないでしょうね。 実はジェレミー自身は、紳士階級の出身ではありませんが、彼なり に服飾に強い興味を持ち、彼のビジネスパートナー、現在はほぼ引退 してますが、アシュレイ ロイドジェニングスと共に、紆余曲折は ありましたが、英国伝統の紳士の装いを守りつつ、新たに独自の解釈 をも加えてきたのです。彼らのように、紳士の中にいるよりも、寧ろ その外側の世界にいる者の方が、えてして本質的なことが良く見える ことがあるものです。 紳士が鞄をあまり持たないというのは、勿論その根底には彼らなり の合理的な考えがあり、特に質問者さんのようにバーヴァーをお持ち なのであればスポーツコート(日本人が言うジャケットのこと)と 合わせれば、財布、手帳、携帯電話、さらには文庫本(紳士には読書 の習慣が欠かせません。)等身の回りのものほとんど全てが収まって しまうことでしょう。そうすると後は着替え等、鞄一個あれば2,3泊の小旅行には充分ではないだろうか、というのが彼らの考えなのです。最も大事なことは、どこへ行く時でも必ずジャケットを着用すること です。質問者さんは、おそらく白洲次郎を御存知と思いますが、生前 の彼が”ネクタイを忘れてもジャケットだけは忘れるな。”と言って いたのを記憶されていられるかもしれません。休みの日でも、いや 休みの日だからこそ、良い仕立てのネイビーブレイザーや、ツイード 等のスポーツコートを羽織っていることが大切なのです。急に予約なし でレストランで食事をすることになった際など、”ジャケット”の威力 を感じられる時が必ずあることと思います。 紳士が鞄をたくさん持たないと言うことの本質は、実は元々 ”人に持たせるから”というところにあったのです。例えば、 ルイ ヴィトンのハンドバッグは、元来ポーターが大きな旅行用 トランクなどのバッグを運び終えた後、その持ち主に報告とティップ をもらいに行く時のための目印となるように、という目的をも含めて 作られたものでした。王族貴族向けの長期旅行用のトランクや棹を レーゾンデートルとするルイ ヴィトンにしてみれば、ハンドバッグ の類ほど簡単に作れて儲かるものはないのです。こうして庶民から 儲けたお金で、王族貴族のトランクを作成する職人などの養成費用に 充てたりしているわけです。 それから、細かいことを言えばトロリーケースなども本当は紳士的 なものとは言えないのかもしれませんよ。やはり良くなめされた皮の シンプルなバッグを、たとえ重そうなものでも軽々と持ち歩くのが ベターな紳士のふるまいなのかも、いや実際そうなのですが、今は グローブトロッターさえトロリーケースを作製している時代ですから、別に気にしなくていいのかもしれませんが...。一応そういう考えも ある、というのは知っていて損はないかと。貴族というのは、日本と 違って、国のリーダーとなるべく育てられ、国民とその財産を守る 義務があり、栄養もよく、スポーツで体を鍛えてきた人達でもある ので、元々平民階級とは体格も違うのです。(つまり平均的に背が 高く、大きい。) 最後に、いずれにせよ、バッグをいくつ持たれるにせよ、御自分が 一番気に入った一社のものに統一する、ということは守られた方が ベターなようです。日本に出張の際よく見る風景は、ハワイ帰りと 思われる、パンパンに張ったヴィトンのボストンバッグの傍に、 グッチやプラダ等、一個一個別々の商標のバッグを見ることがある のですが、これが彼ら(紳士達)の目からすると、最も見苦しいこと のひとつのようです。
お礼
詳しいご回答、本当に有難う御座いました!いつも思っていながら出来ないことですが、ガンガン鍛えて重いものでも軽そうに持てるように、なるべくトロリーではなくボストンバッグなどを持つようにしたいと思います。(これが所謂ダンディズムと言うものなのでしょうか) もし、kenaokiさんのお勧めのブランドなどがありましたら(Gトロッターと大峡製鞄以外であまり高価でないもの)教えて頂けますでしょうか? また、サラリーマンスタイル以外でkenaokiさんが執筆されているウェブサイトなどがありましたら教えて頂きたいのですが。
- lile
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スマートな立ち振る舞いをする事が紳士なのだと思います。 バッグを二つ以上持つ事はスマートとはいえませんね。 あまりブランドには詳しくないので「ポリカ」とか「バーブァー」とかは存じ上げませんが 必要に応じてバッグを変えるスマートさと言うのも必要だと思います。 なぜショルダーバッグが必要か考えてそれに応じて対策をとるという事も紳士には必要なのではないでしょうか。 財布やパスポートなどは普通にテーラードジャケットにしまえば問題は解決しそうな気がするのですが。 特に海外ではあまり気を張る必要は無いと思いますけど ご自身がかっこよく(紳士で)ありたいと思うのであればやはり二つ以上は持たない方がいいと思います。
お礼
ご回答有難う御座いました。 済みません、ポリカはポリカーボネート樹脂製と言う意味です。外にポケットなど無いので、本や雑誌を機内で読みたいときなどには不便です。その他旅程中に水を買ったりなど、ショルダーバッグは無ければ無いで済みそうですが、やはり不便そうです。 ただ、こういう事は表面的な事だけでなく意外と奥が深かったり、歴史的・文化的な意味があるので、なるべく1つで済むようにはしたいです。
お礼
ご回答有難う御座いました。