もともとPDFと言うのは概念の名前でポータブル・ドキュメント・ファイルです。
通常のファイルを開くためには「OSが○○であること」、「××というアプリケーションがインストールされていること」など多くの制約があります。
「どんな環境でも共通アプリケーションさえインストールしてあれば見ることの出来るファイル形式」として期待されたのがPDFです。
しかし、残念ながらPDFファイル自体にたくさんの種類が出来てしまったため、長い間「絵に書いたもち」という状態でした。
それを打開したのがグラフィックソフトウェアの大手Adobeです。
Adobeは自社の持つPostScript技術をPDFに取り込み、文字、文字属性(文字フォント自身を含む)、画像などを1ファイルのまとめ上げることに成功しました。
しかも、ActrobatReaderというフリーソフトさえあればWindowsであろうが、Maintoshであろうが「ほぼ完璧に」同じレイアウトでの閲覧が可能です。
AdobePDFのもうひとつの特徴はPDFファイル作成には手持ちのソフトウェアが使えることです。
MicrosoftWordなどのアプリケーションでレイアウトした文書をMicrosoftWordの印刷機能を使ってPDF化することが可能です。
アプリケーションの印刷機能を使って共通ファイルフォーマットに変換すると言う考え方は20年近く前からありまして、大昔にMacintoshのSuperGlueなどで実現されておりAdobe独自の技術ではありません。
・印刷機能さえあればどんなアプリケーションからでもPDFの作成が可能(AdobeAcrobat製品版は必要)
・AdobeAcrobatReaderがインストールしてあればどんな環境でも「作成者が期待するレイアウトで」閲覧可能
この2つが一般ユーザとして享受できる利点でしょう。
(インターネット云々というのは2次的な要素です)
「作成者の期待するレイアウトで」という部分に注目するとパンフレットやカタログの配布に利用可能であることがわかります。
PostScriptはもともと印刷/出版と密接に関連する技術なので、印刷向けカタログ用データを『そのまま』PDFに変換可能な高機能DTPソフトウェアを利用することでネット配布用、印刷用のように「待った同じ文書データを複数作成する必要が無い」という状況を作り出すことが可能です。
このソフトウェアは実際に存在し、デザイン業界で積極的に利用されています。
お礼
詳しいご説明ありがとうございました。 恐縮です。皆さんのおかげで、PDFの全体がみえてきました。