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樋口有介さんの「月への梯子」の解釈
樋口有介さんの「月への梯子」(文春文庫)を読みました。 その内容について、私の解釈が正しいのかどうか、ご意見をお願いします。 主人公の知能が事件後、急に明晰になって・・・、という、作品の大部分を占める内容は、犯人逮捕も含めて、主人公が意識不明になっている時に見た夢、ということなのでしょうか?
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おっしゃる通り、そうだと思いますよ。 栗村蓉子が殺されてから、12時間後に、 主人公の福田が梯子から落ち、病院に搬送されますが、 それから1日後の臨終まで一度も意識が戻らなかった、と最後の方にありますよね。 なので、犯人も、主人公が見た(構築した)夢の中のことで、 実際は、この殺人事件も、ありふれた痴情のもつれか金銭トラブル あたりだろう、と言っています。 意識不明後に登場したはずの目貫女性刑事が夢の中でも 同名で登場するなど、説明不能な不思議な場面はたくさんありますが、 それでも、読者側まで、夢と現実の区別がつかず、 最後の最後まで、福田の夢物語につき合わされる(^^) という 作者独特の手法は、なかなかおもしろいな~、と思いました。 夢の中のできごとは、いささか頭の弱い主人公の、 憧れに近い理想の世界だったのかもしれませんよね。 参考までに書いてみました。
お礼
詳細なご意見をありがとうございました。 質問を投稿した後、数回読み返しましたが、 読めば読むほど現実と夢との境界が曖昧になり、不思議な感覚に陥ります。 ご回答いただきまして、ありがとうございました。