>タイトルをHD8CDに絞り、引き続き質問を継続します。
ということでしたら…
まぁ、一つには、製品のコスト=販売戦略的な定価設定…を考えるにあたり、現代のMTRに使われるアナログ/デジタル変換の回路構成が、概ね2ch単位になっていることもあって、『価格的に最低限のMTRを作るとなると2ch仕様が一番設計しやすい』という面はあると思います。
今ひとつは、アマチュアの大抵の録音については、基本的には2chあれば事足りるケースが大半なので、価格設定のことも踏まえて需要が一番多い仕様…ということは言えると思います。
大抵の名の通った音響機器メーカーでは、同時2cH録音モデルは「小型」なり「軽量」なり「多機能」なりと、それぞれ特徴を持たせた複数のモデルをリリースしていますが、8ch同時録音となるとモデル数がガクンと減る…プロ用のみで廉価なモデルは(昔はともかく今では)出してない有名メーカーも多い…というあたりも、2chモデルと8chモデルでは需要層が違うという証左でしょう。
実際のところ、普通にロックバンド形式(おそらくは最も需用者数が多いであろう)のバンドを多重録音するにあたっては、ドラム以外は2ch有れば手順上は事足りるのです。
そして、ドラムも電子ドラムや打ち込みであれば、2chで十分です。
私自身は、生ドラムをマルチマイクで録りますから8chのMTRは必須ですが、生ドラム録音の時以外は、同時録音2chですべて事足りますしね。
逆に、私自身は時々やりはしますが、基本的に「多数の楽器を同時に演奏して別々のチャンネルに入れる」というのは、『全部の楽器が個別のブース(小部屋)に入って』、『互いに音が干渉しない環境』でない限り、普通はやりません。
大きなスタジオで、全員が一堂に会して同時に音を出す状態では、マイクに相互の音が回り込んで、マイクの本数が増えれば増えるほど音が荒れて汚くなります。そういう場合は、2~4ch(基本2chで録って、特に弱いパートのみ補完的にマイクを立てることも…というノリ)で録った方が、デモテープとしてもよっぽどまとまりの良いものになる…というケースの方が、圧倒的に多いです。
こういうことは、一度やればわかりますが…そんなことから、8ch以上の同時録音をするとなると、アマチュアでもかなり本腰を入れて本格的に機材を集めてやるような人だけですから、需要層は一挙に細くなります。
そういうことも背景にあって、同時2ch録音機種の方が圧倒的に多いのだと思いますね。
お礼
丁寧なご回答有難うございました。