タイミングチェーンを使用している機種では特にメンテナンスの必要なことが起こるのはまれです。トラブルとしてはチェーンのリンクの継ぎ目の部分の磨耗による伸びが原因になり、バルブタイミングなどのずれが起こることがあるかもしれませんが、通常の運転状況で問題になるようなことはまずないでしょう。ごくまれに起こるトラブルとしてタイミングチェーンテンショナー(チェーンに適度な針を持たせるための部品でスプリング式や油圧式・スリッパーの撓みを利用した方式などが一般的です)の不良によりチェーンが弛んでしまい、駒と跳びやチェーンの切断にいたることがないではありませんが、これは非常にまれな話です。
また、現在使用されているタイミングチェーンは自転車のチェーンのようなラダーチェーンではなくサイレントチェーンが主で切断などに対してはラダーチェーンよりかなり強い(ただし重いので慣性質量の増加につながる・・・)のでレースなど特殊な目的で使用する以外は心配する必要はないでしょう。
先に述べたテンショナーもほとんどの場合自動調整式ですので、結論としてタイミングチェーンのメンテナンスをユーザーが行う必要はありません。タイミングベルト(コッグドベルトと呼ばれる歯がついた樹脂製のベルト)式では繰り返し折り曲げられることによる材料の劣化のため10万キロごとの交換が必須とされていましたが、チェーンでは磨耗が限界に達したない限りOKです。そしてタイミングチェーンの潤滑はエンジンオイルにより行われているので、オイル交換を正しく行うことがユーザーができるタイミングチェーンに関する唯一のメンテナンスでしょう。
おまけ、万一タイミングチェーンが切れてしまったり駒跳びを起こした場合に起こる現象ですが、エンジンが突然とまり、再始動できない状態におちる場合がほとんどでしょう。エンジンのタイプによってまちまちですが、チェーンの切断によって開いたまま動かなくなったバルブにピストン衝突(バルブクラッシュと呼びます)してバルブを破損させてしまったり、ピストンとバルブの動作のタイミングがずれるためにエンジンを正しく動作させることができなくなります。
お礼
細かい説明ありがとうございました。 そろそろ車をメンテにだしてみます。 ありがとうございました。