「降りるときにガスを抜いていくのではないか?」
現在の飛行船はすべてヘリウムガスを使っています。ヘリウムガスはめちゃくちゃ値段が高いので、「ガスを抜く」などということは絶対にしません。それでも、漏れる分を補給しなくてはならないため、ランニングコストはかなりのものです。基本的には浮力の調整とエンジンによる推進力を調整して上下します。
「ランニングコストや離着陸場の整備が大変なのではないか?という疑問が浮かびました」
すべて、おっしゃるとおりです。
離着陸には、地上に人が待機して「引っ張る」必要がありますから、自力で着陸することができません。しかも、地上の人は手順をまちがえると感電することもあります。地上に係留するためには、機体の何十倍もの面積が必要です。係留している間も、気温の変化で浮力が変わりますし、雨が降ればその重さで沈んでくるので、つきっきりで監視する必要があります。夜露に濡れるだけでも重くなります。当然、乾けばまた軽くなるので調整します。
飛行船の未来についていろいろ期待している人もいるようですが、おおよそ実用的な乗り物ではありません。遊覧飛行と広告のような特殊な分野で需要があるだけだと思います。
余談ですが、制御不能になった飛行船が「空に舞い上がってしまう」ということはありません。飛行船は自身の浮力では浮かないように設計されています。エンジンが止まれば、重さで勝手に降下するようにできているので、「子供の風船」のようなことにはなりません。エンジンの推進力がなくなると機体の揚力がなくなってしまうため、高度の維持ができないのです。飛行船はヘリコプターと異なり、一か所にとどまっている、ということはできません。
お礼
ありがとうございました。 大変参考になりました!!