IMFという機関は常にお金を蓄えているわけではありません。
通常時は各国が経済規模に応じた拠出金(クォーター)や
補助金を出してその資金で運用されています。
ですが現在、アイスランドの破綻や韓国の危機にそなえて
緊急にお金が必要な状況です。
こういった場合は各国にIMFが借金を要請することになります。
有償・無償はその時の事情によりますがこれは「帰ってくるお金」です。
今回増やそうというのはこっちのお金ですね。
IMFは「借金してでも」きちんと返してくれるので、
この点は安心であると思います。
同時に国際間の借金もIMF管理下で認められているのですが
このお金が返ってくるか、は非常に流動的です。
例えば過去において一時IMF管理下に入った韓国に対し、
日本は貸付を行いましたがこのお金は大部分が返ってきていません。
これも中川さんの発表にありましたね。
こうしたリスクを避ける意味でも「IMF重視の金融介入」は
有効な手段であると思います。つまり中川さんの発表を平たく言いなおすと
「金返さない韓国にじゃなく、返してくれるIMFに出すよ。
金が無いならそこから借りたら?」
ということになります。
さて今回、中川財務相が表明したIMFへの追加出資は「外貨準備」を
財源としています。日本には現在9,700億ほどの準備高があります。
(参考URL参照のこと。IMFリザーブはIMFからの、SDRは他国からの借金と考えて
差し支えないと思います。日本発でない証券、はつまりアメリカ国際です。)
なんでこんなお金があるの?と思われるかもしれませんが、これは
・為替の急激な変動
・日本が債務過多になった場合の返済資金
として確保されていたものです。
とはいえ、国際基準からしたらちょっと多すぎるとの指摘があります。
これは5年ほど前に行われた日本とハゲタカファンドの歴史に残る
大戦争の結果として結構な金額となってしまった事情があるのです。
内訳を見るとさらに政治的な事情が絡みます。
87%を占める外国証券の内容は「信用のおける長期の債権」つまり、
アメリカ国債によって構築されています。
リスク管理としてアメリカ国債を手放し、アメリカと距離をおきたいのか、
あるいはオバマ政権で大増発されるアメリカ国債の購入の「口実」にしたいのか、
これは麻生さん・中川さんに聞いてみないとわからんでしょうね。
お礼
回答ありがとうございます。納得できました。