村上春樹の「羊をめぐる冒険」について
村上春樹の「羊をめぐる冒険」について
(ネタバレとも言える内容を含んでいますので、未読の方はご注意ください。)
村上春樹氏の「羊をめぐる冒険」を読みましたが、わからないことが多く、意味不明の作品でした。羊が人に入り込む、既に死んだ人物と再会するなど、作品自体に非現実的な設定が盛り込まれており、ファンタジー小説、メルヘン小説であって、ストーリーの運びに辻褄が合わない点があっても気にせずに、ある意味、主人公(僕)が都合良く事件に巻き込まれていく中で、作者の描きたいものを表現しようとした作品なのでしょうか。下記に疑問に思った事項を挙げましたので、一部分でも結構ですので、ご教示願えたらと思います。
・ 黒服の男(先生の秘書)が主人公に対して、羊を探すように依頼した理由がよくわかりません。作品中では、当初は、先生の中に入り込んだ羊の秘密を探りたい旨のことを語っており、最後の方では「彼を穴倉からひっぱりだしてほしかったんだ」と語っています。「彼」とは鼠のことのようですが、黒服の男はもともと鼠の居場所を知っていたわけで、わざわざ主人公の力を借りなくても力付くで引っ張り出すことが出来たのではないかと思います。また、なぜ、主人公なら、鼠を引っ張り出すことができると思ったのでしょうか。さらに、当初、主人公に対して、鼠を引っ張り出してほしいと具体的に依頼をせずに、羊を探してほしいなどともってまわった依頼をしたのはなぜでしょうか。一応、作品中では「彼に君を信用させるためには、君が白紙でなくてはならなかった」と書いてありますが、全く意味不明です。
・ 羊男とは一体何者なのでしょうか。個人的には、十二滝町の開拓に関わったアイヌ青年の子孫のように思いましたが。作品中では、鼠が羊男の体を借りて、主人公に会いにきたことになっています。なぜ、鼠は羊男の体を借りる必要があったのでしょうか(なぜ、わざわざ羊男を登場させる必要があったのでしょうか)。
・ 鼠が死んだのは、主人公が鼠に再会した1週間前で、先生が亡くなった時と一致しています。この一致には何か意味があるのでしょうか。
・ そもそも、この作品で作者が描きたかったことは何だったのでしょうか。また、主人公にとって、この冒険はどのような意味を持っているのでしょうか。読み終えても、全くわかりませんでした。
お礼
ありがとうございます。 小説の挿絵は黒のように見えましたが、作画の山田画伯はスクリーントーンを使用されない方ですので実際はわかりません。 アニメ版は灰色と黒の中間のようで、獣型より随分と色が濃いように感じたのでお尋ねした次第です。仰るとおり、脚本集を見ると確かに灰色ですね。 わざわざ探してくださってありがとうございました。