> そもそもどの程度の風速でしたら (略)
飛行機が弱いのは横風です。
すべての飛行機は設計図ができて最初の機体ができあがった後に、数か月以上にわたり数多くの「性能試験」を行ないます。テストパイロットが乗り込んで強風が吹き付ける空港に着陸させることで性能を実証する必要があるのですが、映像を見た範囲では真横に飛んでいるような印象を受けるほどの強風です。このときの値が「飛行機の機体としての性能限界」になります。マニュアルには明記されてるはずです。
が、実際にはここまでぎりぎりの運用はしません。実運用の場合はエンジン停止の可能性も考慮しておく必要があります。(旅客機はエンジンがひとつ停止しても墜落しないことが前提です。逆にいえば、エンジン一発が停止して機体が横に流れている状態でも安全に離着陸できることが保証されている範囲(マニュアルに記載されています)で運用しなくてはいけません) さらに、民間機のパイロットはテストパイロットではありません。性能の限界に挑戦する必要もありませんし、そのようなことは求められていません。
というようなことをいちいち考えるのはめんどくさいので、航空会社では運用マニュアルが作成されています。横風なら秒速5メートル前後というところでしょうか。天候によってはガスト性の風、つまり、突風が吹いている場合もあり、この場合にはまた別の制限を設けているのが普通です。
どことは言いませんが、「日本の赤い航空会社」では横風や悪天候でパイロットが離陸や着陸を断念すると、上司に呼び出されて注意を受けていた、ということです。その結果、無理な気象条件でも離着陸させる傾向があり、一部の乗客たちは「やっぱり、時間どおりにちゃんと飛んでくれる会社がいいよな」と喜んでいました。逆に「青い航空会社」では、悪天候を回避するために予定時刻より遅れたとしても、むしろ「危険な状況をよくぞ勇気をもって回避してくれた」とする社内体質がありました。遅れに対して政治家などからクレームが入っても、社長が頭を下げて解決しパイロットはおとがめなし、だったとか。その長年の結果が、現在の安全面での評価の差になっているようですね。
> 制限が厳しい気がする
残念ですが、まちがいです。
悪天候時は、離陸には離陸の、着陸には着陸のむずかしさがあります。まったく性質が異なるので、比較はできません。離陸の場合には「危険そうならそもそも離陸を始めない」という選択肢がありますが、着陸は移動しつづけている必要があるため、あまり融通がききません。とはいえ、「なんか不安だし」という理由で離陸を始めずに滑走路上にボーッといられたのでは、問題になるでしょうね。
> 雲の上
飛んでるときには風なんか関係ない、と思っているようですが、まちがいです。空気力は速度の2乗に比例するため、突風が予想されるときには飛行速度に制限がつきます。これもマニュアルに記載されています。
とはいえ、全体として考えれば大した遅れにはならないため、速度を落としてもパイロットからいちいち説明があるわけではありませんから、気がつかない乗客が大半でしょう。
補足
早速の回答ありがとうございます。 色々無知なところ失礼しました。 いずれにしても、横風には弱いってことですね。 では、現状近づいている台風に対して、どの程度の暴風域に入ってしまうと、民間空港が閉鎖(離発着が中止)されるのでしょうか? 私は細かい話はわからないのですが、現在ハリケーンが米国テキサス州ヒューストンに上陸しようとしており、これによって飛行機の離発着に影響があるのかを知りたかったのですが。 http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2426327/3186599