「たつみや 章」さんの『ぼくの・稲荷山戦記』をおすすめします。
本作はこの筆名でのデビュー作であり、第32回講談社児童文学新人賞の受賞作品です。
女史は別名で大人向け小説も書いていますが、本作はファンタジー特有の現実認識の甘さ(余韻といったほうがいいでしょうか?)を残しながらも、田舎の家を守る「家神様」を主要モチーフに、ふるさとの自然に宿る神々を描写して、大変優れたファンタジーとなっています。
氏独自の語り口のうまさ、展開のたくみさ、登場人物の造形の上手さなどがあいまって、ほとんど映画のシナリオのように情景がイメージでき、とても面白い作品です。環境保護の観点からも、よくまとまっていると思います。
続編もたくさん出ているので、「たつみや章」さんで検索してみてください。
なお、別名での小説は児童文学の枠をこえた小説ですので、お子様にはおすすめできません(いわゆるBL系です)。