アナログ放送などの場合、画面縦横比は4:3で解像度は720x480(もしくは720x486)です。(1ドットの大きさが正方形でないです)
次に1ドットあたりのデータ量ですが、「デジタルベースで映像素材を作る」段階だと、RGB各8ビットの1ドットあたり24ビットで作るのが普通ですね。
そうなると、720x480x3で、1枚あたり約1MBになります。
NTSC規格は1秒間に29.97コマなので、1秒間に約30MB
25分間だと約43GBになります。
16:9サイズということですが、DVDなどでよく使われている「スクイーズ」方式の場合、上記720x480の解像度のまま、表示を16:9にします。(1ドットの大きさが縦に小さくなる)。その場合はデータ量は43GBで同じ。
上下に黒を入れる「レターボックス」表示の場合、縦方向の解像度が3/4になりますので、約33GBに減ります。
HD解像度の場合ですが、「フルハイビジョン」は解像度が1920x1080になります。
同じように計算すると、横1920ドット×縦1080ドット×3バイト×29.97枚×60秒×25分=260GBになります。
以上、非圧縮動画のデータ量ですが、実際には、こんなデータ量は扱ってられませんので、業務用・放送用機器でもデータ量の削減を行っています。
まず、1ドットあたりの情報も3バイトも使うのは無駄です。
人間の視覚特性として、輝度には敏感だが色の変化には鈍感なので、
輝度解像度はそのまま色解像度を落としたりします。
放送・業務用機器だとDigitalBETACAMやD1は4:2:2(色解像度は横1/2)で、1ドットあたり16ビット(2バイト)
DVDなどの場合は4:2:0(色解像度は縦横1/2)、miniDVなどの場合は4:1:1(色解像度は横1/4)で、どちらも1ドットあたり1.5バイト(12ビット)になります。
このように色解像度を落とすだけで、非圧縮のままでもデータ量は2/3~1/2に減ります。
それでも、やはりデータ量は多くなりますので、業務用・放送用のビデオ機器でもDCT(JPEGみたいな圧縮)やMPEG2/MPEG4だとかの圧縮かけて記録するのが普通です。
お礼
たいへん丁寧な説明をいただき、ありがとうございます。 色解像度の削減など、全く知らない世界のことでしたので、とても参考になりました。 パソコンの扱うデータ容量が、フロッピー数枚の時代から、気がつけばテラバイトへ進化していったことから考えて、いつかは無圧縮デジタル画像を扱うのが当たり前の時代が来るのかな、などと思ってした質問でした。容量、計算速度ともに100倍くらいになれば、まるきり夢物語でもないような気がします。もちろん、通信での利用など、常に圧縮技術は必要だとは思いますが。