パワーコードというのは、2つの音程で構成される複音のことで、基準となる音程(ルート音)にその3音半、7フレット分上にある音程(完全五度)を加えたものになります。
少し詳しく言えば、コード(和音)を成立させるには最低限、そのコードの基盤となる音程のルート音、ルート音の3倍音と同じ音程でルート音の響きを補強する完全五度上、コードの響きの長短(メジャー・マイナー)を決める3度の音程の3つの音程が必要ですが、この中からコードの長短を決める3度の音程を省略したものがパワーコードになります。パワーコードは、構成音が2つしかないので厳密にはコードとしての成立要件を満たしていない複音になります。
パワーコードはロックなどの伴奏で多用されるもので、メジャー・マイナーの区別がないために、その上で比較的自由にフレーズを展開できる利点があります。また、過激に歪ませるエレキギターなどでは、歪ませた状態でたくさんの音程を鳴らすと音がぐちゃぐちゃに混ざり合い、音程も不明瞭になりがちで響きが汚くなることがあります。そうした場合などにも、パワーコードは調和しやすい二つの音程しか鳴らさないので、響きが濁りにくいという利点もあります。
実際の使用例では、伴奏パートでルートの単音弾きではいまいち迫力が出ないように感じられる場合に、パワーコードにして響きを補強し、迫力をつけるというケースなどがあるでしょう。
オープンコードについては俗語的な用語で、主にローポジションで、開放弦を含む形のコードフォームや、そのコードフォームで鳴らすコードのことを指します。これは特に音楽的な意味合いではなく、ギターのコードフォームのことをさす用語です。
オープンコードの対義語としては、バレーコードなどがあります。こちらは人差し指で複数の弦の同フレットを押さえて鳴らすコードフォームや、そのフォームで鳴らすコードを指します。
他に、ローコードやハイコードなどという用語もありますが、ローコードは低いフレットポジションで押えるコードフォームやコード、ハイコードは高いフレットポジションで押えるコードフォームやコードのことを指します。
蛇足が多くなりましたが、参考になれば。