再び失礼します。ちょっと気になったので。
Fコードの押え方についての追加ですが、親指の使い方についても気をつけてみるのが良いかも知れません。親指をネックの上に引っ掛けるシェイクハンドグリップの場合、手の大きさによってはそれが支障になることもありえます。手が小さくて、シェイクハンドで押えようとして手が親指に引っ張られてしまうような場合、これも他の指を寝かせてしまう原因になりえます。この場合は、親指をネックの裏につくクラシックグリップにするか、ネック裏に手のひらを思い切って密着させるかのいずれかで指の付け根を指板に近づけるようにすると良いでしょう。
Fコードをバレーで弾くことについてメリットがないというご意見も寄せられているようですが、個人的にはそれは極めて極端な見方だと思います。Fメジャーコードだけについて言うのであれば、6弦を親指で押えるようなスタイルも確かにありますが、そのスタイルだけで押し通す場合、コード演奏の指遣いのバリエーションが限られる不利を被ることもあるでしょう。Fをバレーコードで弾けるということは、それだけでもメリットがあります。また、Fだけでなく、それを平行移動したバレーコード全般にも対応できるようになることや、またBコードやCmコードなどのようなバレーコードにも対応できるようになるでしょう。加えて、F7コードやFmコード、F7sus4コード等といったコードのバリエーションについても、バレーをするフォームの方がすぐに応用が利き、より楽に対応できるはずです。バレーコードができるようになるだけでも、コードに対応できる幅は飛躍的に広がるといえます。バレーでコードを弾くことにメリットがないというのは、非常に偏った見解だと思います。
また、腱鞘炎についての心配については、バレーをすることが直接的にそれを招くと捉えるのも行き過ぎた見方と思います。腱鞘炎については、指に無理な負荷をかけ続けてしまうことが原因となることが多いと思いますが、そうした負荷をバレーが強いるということは断言できません。バレーの仕方が悪ければ、手先の使い方に無理が出て、指や手に不自然な過負荷をかけることにもつながるかも知れませんが、そうした不自然なフォームで無理を続けなければ特に腱鞘炎につながるような事態にはまずなりません。バレーが腱鞘炎を招くというのは、少々見当が違うと思います。バレーの際に、ギターの位置が低過ぎている事で手首の返しに無理がかかるような状態で無理を続けるなど、無理を力でねじ伏せるようなことをしなければ、バレーをすることだけで腱鞘炎の心配をする必要はないでしょう。先に回答したように手首や手先に無理のかからないフォームを探れば、問題はありません(現に、私自身はおおよそ10年ギターを弾いてきて、バレーコードについても頻繁に使ってきましたが、腱鞘炎になったことはありません)。
なお、腱鞘炎への心配については、バレーをすることだけに絡めて気を遣うのでは不十分かと思います。腱鞘炎については、練習時間が過剰に長時間に及ぶなど、指の酷使のし過ぎが最も心配な要因といえます。バレーをすることだけに留まらず、楽器を演奏する上では常に普段かからないような負荷が手先指先にかかる可能性がありますので、腱鞘炎を心配するのであれば、常に注意が必要でしょう。また、体調の良し悪しによっても、身体の反応が違ってくることも考えられます。
腱鞘炎への対策を考えるのであれば、バレーがどうこうと考えるのではなく、手先指先に感じる痛みなどによく注意して、疲労や痛みを感じ始めたら、無理をせずに練習を切り上げて休めるようにするのが妥当です。そうしたことに気を遣っていれば、余計な心配を抱え込む必要はないでしょう。痛みを感じたら休める、が基本と考えておけば、問題ないと思いますよ。
参考まで。