はじめまして。フランスの大学院への留学経験、フランスの教育機関で働く立場から回答致します。
ご質問1:
<大学入学資格にバカロレア同等の証明書、大学の入学証明書が必須となっているようなのですが>
1.「バカロレア同等の証明書」と「大学の入学証明書」の両方ですか?大学入学資格には前者だけでいいと思いますが、後者の「大学の入学証明書」が必要なのは、日本の大学への在籍年数によって、フランスの大学の第1過程の何年次から入学ができるか参考にするためだと思われます。
2.バカロレアは仏人にとって、日本の大学入試にあたるもので大変難しい試験ですが、実質的には日本の高校卒業証書に相当する資格です。
3.従って、高校を卒業していれば、理論的にはフランスの大学へ入学することができます。
4.しかし、外国人にとって最大の難関は「語学力」です。フランスの大学は、外国人にも広く門戸が開かれていますが、学業に差し支えない語学証明書が必要で、その試験が必ずあります。
5.日本でその試験を受けることもできますが、その試験を含むPrescription(予備登録)と呼ばれる手続を、大学入学の1年前から準備をする必要があります。手続は以下の通りです。
(1)フランス大使館留学生課などで、志望大学を2~3校選びます。
(2)志望が決まったら仏大使館で予備登録のための願書を受取ります。
(3)大学入学予定日の訳9ヶ月前の12月~1月末までに、その願書を提出しなければなりません。
(4)その後2月中旬に大使館が主宰する語学試験が行われます。
(5)その結果はまず第1志望の大学に送られ、十分な語学力があると判断された場合は合格の通知が送られてきます。
(6)第1志望がだめだった場合は第2志望に送られ返事がきます。
以上が日本での予備登録の方法です。
6.一方、フランスの語学留学を終えて、大学入試のためのフランス語試験をフランスで受ける場合は、次の方法があります。
(1)フランスの大学に所属する語学学校で検定試験を受け、大学免状を取得する方法。これは比較的有利なので、大学進学を見込んだ語学留学の場合は、大学付属の語学学校に行くのも近道です。
(2)DELF、DALFといった、フランスの外国人用の国家免状であるディプロムを段階的に取得して、フランス語力を証明するという方法があります。
7.以上のように大学入学に必要な語学の資格試験は、日本でもフランスでも受けられますが、試験内容は日本で受ける方が簡単です。フランスでの試験は、旧植民地の人なども対象にしているため、既にフランス語が話せるがフランス語の文法知識、読解力はどうか、を問うような問題が多いため、やや内容は高度になります。
フランスの大学は、語学力があれば外国人でも門戸は広く開かれています。おまけに学費は安いですから大いに享受されるといいでしょう。
今パリにいらっしゃるのでしょうか?これからパリの街角でお会いする機会があるかもしれませんね(笑)。昨日のパリは4月だというのに雪やあられが降って「春は何処」という感じでした。春はまだ遠そうですが、充実した留学生活を満喫されて下さい。
以上ご参考までに。
お礼
詳しく御回答頂きありがとうございました!フランスの教育機関で働いていらっしゃるんですね。分かりやすく書かれて下さっていてとても参考になりました。今、渡仏に向けて準備中です^^;はい、せっかくパリに行くので留学生活を満喫しようと思います(笑) 本当にありがとうございました。