うーん。時代を感じる質問だなぁ。ごめんなさい、別に馬鹿にしているわけではありませんよ。
日本でも60年代から70年代にかけては、すさまじい大気汚染があったんです。最近は学校でもあまり教えなくなりましたが、「四日市ぜんそく」という大気汚染が原因の公害病でたくさんの患者が出ました。
また、「光化学スモッグ」という、こちらは自動車の排ガスが原因の公害も東京では現実に起こり、一度に100名以上が病院に運ばれたこともありました。特に、夏のプールや体育で被害が多かった。
今でも、都内の学校の職員室全てに「光化学スモッグ警報機」が備えられていて、常時警報を流しています。先生に聞いてみてください。
つまり、今の中国は日本の60年代から70年代だと思えばいいのです。当時の日本も経済発展が第一で、環境のことなど知った話ではありませんでした。それで、住民や環境に被害が出ても、大した話にはならなかったのです。
例えば、東京に隅田川という川があります。今でこそ、夏の花火大会など開かれますが、60年代は、夏の隅田川など臭くて近寄れませんでした(肥だめとヘドロの臭い)。
都会と地方の経済格差もそっくりです。
東京ではジャズやロカビリーなどに興じる若者がいる一方で、地方では、まだランプの生活がありましたし、お金が無くて高校に行けず集団就職で東京に出てくる若者が大量にいた時代です。
もちろん、世界的に批判をされていました。これも現在の中国と同じです。どういう批判かというと、「日本の経済発展のやり方は、日本の戦争のやり方と同じだ。0戦と同じで、搭乗員の安全を無視して、性能だけを追求している」
当時は、まだ戦後2、30年程度でしたから、こうした批判が分かりやすかったのでしょうね。事実、64年の東京オリンピック前にはヨーロッパを中心に、「こんな公害だらけの国で安全に競技が出来るのか」という、今の北京オリンピックと全く同じ、批判や疑念も出されましたよ。
そういう時代を知っている私などの年代の人間は、中国の経済成長やそのメンタリティについて、良く理解できます。もちろん、批判すべきは批判すべきですが、「かつての自分たちと同じ道なんだよな」と思うと、若い世代のように、一方的に「駄目な国」と決めつけられないのです。
お礼
昔話を詳しくありがとうございます。 中国も時間の経過とともに日本のような国になるってことですね。 参考になりました。