攻撃を受けた調査捕鯨船には今回、初めての試みとして海保の保安官が3名乗り込んでいます。彼らは調査船の乗組員全員の安全を第一の目的としていますので、当然武装しています。SST・特殊警備隊でしたらかなりの武装をしていることは予想できるのですが、(拳銃、サブマシンガン、アサルトライフル、閃光爆弾などなど)残念ながら今回は一般の保安官から選抜されたようです。
ではどれくらいの武装をしているかといえば、武装の程度までは公表されていませんので推測になりますが、拳銃程度の軽武装だろうと思われます。拳銃は現地での補給は考えられないので、15発+1の装弾数の頼もしさから言ってSIG P226だろうと思います。他にニューナンブというリボルバーがあるのですが、今の時代にはおもちゃに近い代物ですので、これを携行していったとは考えられません。ではそれを使用することはあるかといえば、残念ながらといってよいかどうか分かりませんが、ほぼ100パーセント使うことはないでしょうね。ニュース映像で見た限りでは保安官の一人はデッキ上に防楯を立てて、シーシェパードの暴挙にじっと我慢していました。私ならせめて腰から拳銃を抜いて、空に数発威嚇射撃でもしたいところなんですが…。
でもそんなことでもしようものなら、他の回答者の方々が言われているように相手の思う壺でしょうね。シーシェパード側の目的は明白です。挑発によって日本側に過剰な行動を取らせ、いかに日本という国が野蛮で凶悪な国かということを世界に発信したいということですからね。反撃は百害あって一利なしといった事態になるだけでしょう。現地であんな目に遭っている皆さんは腹に据えかねているでしょうが、ただただ我慢してくださいと言うしかないのが腹立たしいばかりです。
もっとも相手が今以上に、たとえば銃器やそのほかの武器を使って、船、そして乗組員の生命に明らかな脅威を与えるようになれば別ですが、相手にしてもそこまでやれば逆に自分たちのイメージが悪くなることは良く知っているはずです。そうなれば、いわゆるおまんまの食い上げになります。ある意味かれらは銭の亡者ですから、そんな事態だけは避けたいはずです。
海自の護衛艦については、現実的には法的にも外交上的にもまず考えられません。もし派遣するとすれば、あれだけの僻地の海に派遣するとなれば、護衛艦一隻だけの派遣はまずありえず、補給艦やその他諸々の準備と現地でのバックアップ態勢が必要となるでしょうね。
最後にひとつだけ今回の事件と、そしてこれまでの鯨をめぐる騒動についての私見ですが、日本は一日も早くIWCを脱会すべきです。日本がIWCを脱会して困るのは日本ではありません。他のIWC参加国のほとんどは日本という〈ヒール〉がいるからこそ自国の主張が注目され、なおかつ組織そのものの存在理由がかろうじて維持されているのです。
日本側の一部のIWC委員が気付いているように、日本が今のIWCにいつまでもしがみついていても事態は絶対に好転しません。これだけの仕打ちを受けながら、それでもIWCでは紳士的に振舞っている日本がこれ以上我慢が出来ないと席を蹴って脱会しても、他の国際的な立場というものが悪化することはまずないと私は思います。だからといって昔のように鯨を好きなだけ捕ってもいいとは言いません。その上で今までどおりに調査捕鯨的なレベルの捕鯨を続ければいいんです。
日本が脱会することでIWCは単なる国際鯨愛好会になり下がり、シーシェパードのようなパラサイト的エセ環境団体は、今度こそ単なる環境ゴロになるはずです。
お礼
ご回答ありがとうございます。知りたいと思っていたことが分かり、疑問が解消しました。 ご回答の後半にありますIWC脱退についてのご意見は、本当にそのとおりだと思います。その他のご意見も、大変説得力のあるものでした。