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市川崑監督が天国へ召されました
13日、日本映画界の巨匠、市川崑監督天国へ召されてしまいました。92歳だったそうです。 煙草をこよなく愛し、眼鏡と帽子の良く似合う、素敵な監督でした。 私はマニアでは無いので、全ての作品を観た訳では無いのですが、やはり何と言っても『金田一耕介シリーズ』が印象深いです。 他の作品で観てもピンと来ない俳優さんや女優さん達が、何故か彼の作品では生き生きと光り輝いて見えたものです。 そんなところはヒチコック作品とも共通していたように思えます。 そして何より、銀幕の中に『生活』が見えていたような気がします。 『お芝居』では無く、あたかも本当にそこにその人物達が存在し、その生活の一部を切り取って来たかような印象は、他の方の作品には見受けられなかったと思います。 追悼、と言う事で市川作品の魅力について、お聞かせ願えませんでしょうか。 よろしくお願いします。
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- hosikage
- ベストアンサー率36% (92/250)
市川監督・・・大好きでした。ご冥福をお祈りいたします。 さて、市川監督といえばスタイリッシュ、光と影、斬新な映像が魅力的です。 「ビルマの竪琴(1956)」は、今でも泣ける映画のひとつです。 一番衝撃的だったのは「東京オリンピック」の鉄球が住宅を壊すシーンからはじまるオープニングです。 何かを失って何かが始まる歴史的瞬間を捉えた素晴らしいシーンだと思います。 また、女子バレーが優勝を決めたシーンのあと市川監督は、喜びに沸く選手ではなく、コートの隅の大松監督を映し出します。 そのときに流れる音楽がなぜか物哀しい曲なんです。 この曲が、選手の喜びの顔、メダルを受けるシーンにかぶさっていきます。 そのとき私たちは、この金メダルの重さを、選手たちの苦闘の日々を、大松監督の葛藤の日々を知るのです。 名作中の名作です。 それから忘れてならないのは「木枯らし紋次郎」のオープニング。 コマ割とスローモーションで紋次郎の姿を捉え、紋次郎の性格までもが分かる名シーンです。 一連の金田一シリーズでは、タイトルデザインが斬新でした。 市川監督カラーが色濃く出ているのは「細雪」頃までだと思います。 私が好きな作品(順不同) ビルマの竪琴 東京オリンピック ぼんち 鍵 私は2歳 股旅 八ツ墓村 おとうと 細雪 犬神家の一族 市川監督作品のうち水谷豊主演の「幸福」は見ていません。 とても気になる作品です。
- utu-ne
- ベストアンサー率39% (52/131)
ANo.1さん、ANo.2さんほどの識見はありませんが、私なりの意見・感想を申し上げます。 近現代では、黒澤明監督と肩を並べる、名監督・大監督、というべき監督だと思います。お亡くなりになった、というニュースを、ネット・新聞・テレビで見ました。代表作、というと、だいたい三つに分かれるようですね。 ・「ビルマの竪琴」 ・「東京オリンピック」 ・横溝正史原作の、金田一耕助シリーズ(「犬神家の一族」「悪魔の手毬唄」など) このことを見ると、いろいろなタイプの映画を取る、多面的な魅力のある監督、と言えるのではないかと思います。 これらの中で、私は「東京オリンピック」は見たことがありません。後の二つですが、金田一シリーズは、映画の監督よりも、横溝正史の原作の奇想天外さのイメージが強烈に印象に残りますので、あまり市川監督の色というものは出ていないと思います。というわけで、残りの「ビルマの竪琴」ですが、私は1985年の、石坂浩二・中井貴一のリメーク版の方だけ見たのですが、とてもきれいな、上品な映画だと思います。監督の力量としては、正統派の演出、ということになると思います。 ほかにもたくさん映画を撮っていらっしゃいますが、代表作のみにしぼって意見を申しました。最後に、謹んでご冥福をお祈りいたします。
- vantage
- ベストアンサー率60% (310/514)
裏話的になりますが、 市川崑監督といえば、オープニングクレジットの文字が非常に小さな明朝体の活字でスピーディに出るのがいつものスタイルだったと思います。 それが角川映画版金田一シリーズでは一転して、画面一杯の大きな活字でクレジットが構成されていて、これは監督の『今までとは別のスタイルで撮ってますからね』という挨拶代わりだったのではないかという話です。一説に、本当は撮りたくなかったのにしがらみやら何やらで仕方なく引き受けた仕事だったらしいのですが、それが本当ならばいかにも市川崑監督らしい“意思表明”であったなぁと感心してしまいます。 私も、市川崑監督らしい作風というと和田夏十さんがご存命だった頃までというのは No.1の方のご意見に賛成ですね。晩年は新作が出るたびに期待したのですが、かつての作風には二度と出会えなくなってしまっていたのが悲しかったです。 好きな映画作品の話なら他の皆様もたくさん語っていただけると思いますので、意外な作品というところでお話しますと、 かつて大原麗子が出演した「サントリー・レッドのCM」シリーズが市川崑監督の演出でしたね。CMという短い時間の表現の中で、監督独特の短いカットで畳み込んでいくような演出が非常にマッチした、いかにも監督らしい作品でした。
- ojiq
- ベストアンサー率41% (121/291)
私の愛する市川崑作品ベストテン(時代順) プーサン(1953) 青春怪談(1955) ビルマの竪琴(1956) 鍵(1959) おとうと(1960) 私は二歳(1962) 太平洋ひとりぼっち(1963) 吾輩は猫である(1975) 犬神家の一族(1976) 悪魔の手毬唄(1977) 私が観た市川崑作品は、記憶する限りでは、33本ですが、その中でお気に入りの十本をあげてみました。33本の内訳は、50年代9本、60年代7本、70年代8本、80年代5本、90年代3本、2000年代1本です。ちなみに、私の生まれは1956年で、劇場で初めて観た市川崑作品が「犬神家の一族」になります。それ以前の作品は、ビデオか名画座で後から観たものになります。 とても息の長い活躍をされた監督ですが、洒脱な作風を存分に味わえるのは、70年代までではないでしょうか。私の感覚では、「細雪」(1983)あたりで、終わっているような感じがします。奥さんの和田夏十(わだ・なっと)さんが脚本に参加されていた時代とそれはほとんど重なります。和田夏十さんは1983年に亡くなっていますが、直接脚本を担当されているのは「東京オリンピック」 (1965)までです。