舞台で笑えるようになるのは役者修行の一つの鬼門ですよね。
まず、力強くハッキリ聞こえるのは発声方法です。
のどの強い、弱いは人によって違いますが、
発声用語で言う「当てる」ことで大きな劇場でも響く声が出せます。
腹と頭を一直線にして、腹から出てくる声を、頭のつむじ辺りにぶつける感じで発声します。
なので、遠くに届かせようと斜め上を向くと出来ません。
ちょっと分かりづらいかも知れませんが、習慣的に練習をしていれば何となくつかめると思います。
出来るようになると5人ぐらいで輪になって「アー。」というだけで空気が震えるのが感じられるようになります。
次に、妙に長く息が続くのは肺活量です。
これは毎日走ることや泳ぐことで鍛えられます。
他の鍛え方もあるかも知れませんが、新劇系の劇団はみんな走りまくっています。
きっとこれが肺活量を鍛える一番の近道なんです。
何より、一番重要なのは「気持ちを入れること」です。
自分が本当に面白いとき、どんな笑い方をするのか、息が切れるほど笑ったとき、どんな呼吸をするのか、それが基盤になります。
誰かのまねではなくて、自分の笑い方をしないと、幾ら発声を練習してもお客さんには「笑っている人」にしか見えず、「楽しい様子」をお客さんとシンクロすることは出来ません。
例えば普段、「きゃっははは!」と笑う人が「は、は、は!」と無理をして笑うと、
最初に「H」という抜ける音が来るので、第一声で息がほとんどなくなってしまう、ということも起こり得ります。
慣れた笑い方のほうが絶対いいです。
いつもの笑い方を自己分析して、それプラス発声法や肺活量が付随すれば、素晴らしい「笑い」の表現が出来ると思いますよ。
偉そうにすいません。自分も舞台に立つ人間なので、精進している最中です。お互い頑張りましょう。