幼児期に指しゃぶりをすることによって、上顎の骨はしばしば前方へ向けて成長してしまうことがあります。そうすると、上の前歯は下の歯に向けてではなく、骨に沿って前方へ向けて生えてしまいます。これが「指しゃぶりによる開咬」です。
指しゃぶりを止めることによって、この骨は徐々に本来の方向へ戻って行きます。
ところで、永久歯は骨の方向に沿って生えますから、上顎の骨が本来の方向へ完全に戻り終わってから生えれば、本来の方向へ生えてくれます。
問題は、永久歯が生えるのと、骨が元の位置へ完全に戻るのとで、どちらが早いかです。
骨の変形が大きすぎたり、指しゃぶりを止めるのが遅すぎたりすると、骨の変形が元の位置へ戻るのが間に合わず、永久歯は前方へ向けて生えてしまいます。
永久歯が生えてからも骨は少しずつ元の方向へ戻りますが、2番目、3番目の歯が生えて並んでしまうと、骨は歯にじゃまされて、本来の位置へ動くことができなくなってしまいます。
こうなってしまうと、開咬あるいは出っ歯の状態になってしまい、場合によっては抜歯を伴う矯正をする必要が生じるかもしれません。
ですから、このままにしておいて、自然に治るかもしれませんし、治らないかもしれません。それは矯正歯科の専門医が検査をしなければわかりません。
私のお奨めは、矯正歯科の専門医に一度見せてどんな状況か診断をしてもらうことです。
それによってはじめて、そのままほっておいてもかまわないのか、治療が必要なのかがわかります。
今なら、簡単な装置を短期間口に入れるだけで治るものが、ほっておいたために、抜歯矯正をしなければならなくなった、ということもありえます。
というわけで、専門医にお見せになるのが良いと思います。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 早速の回答ありがとうございました。とても参考になりました。 3歳児検診のときに、かなり開咬が進んでいると言われていたので、骨の変形も大きいのかもしれません。上の歯が抜ける前に1度矯正歯科に診ていただこうと思います。