シャンプー剤を使用する上で,一番重要なことは,シャンプー剤に含まれている洗浄成分を頭皮や髪の毛に残さないことです。
というのは,洗浄成分が持っている脱脂力によって頭皮や髪の毛を保護する皮脂を奪い,同じく洗浄成分が持っている脱水力によって頭皮や髪の毛から水分を奪い,髪の毛のキューティクルを開かせてダメージを与え,頭皮の角質から水分を奪うことで一時的かもしれませんが乾燥肌にしてしまい,これらを繰り返していますと,髪の毛の場合は,キューティクルが閉じなくなってゴワゴワするようになり,かつ,水分が保持出来なくなることからパサパサになってしまい,頭皮の場合は,角質の隙間から空気の刺激を受けるようになるため,少しずつ炎症が悪化していき,その刺激から頭皮を保護しようとして皮脂の分泌量が増加し,さらに悪化してしまいますと,頭皮を保護するはずの皮脂の分泌量が多すぎるようになりますと,その皮脂によって炎症がさらに悪化するようになり,脂漏性皮膚炎や脂漏性湿疹などを患うようになる可能性が高くなると考えられるからです。
で,これは,洗浄成分を含んでいれば同じことですから,市販シャンプー剤に代表される弱酸性シャンプー剤も,その間反対に位置すると考えられる石鹸シャンプー剤も同じことなのですよ。
ということで,液体タイプの弱酸性シャンプー剤を使用する場合は,以下のことに重点を置いてシャンプーするようにしてみてください。
強いアルカリや強い酸に頭皮や髪の毛を晒さなくて済む分,実は,安全なんですよ。
1.
シャンプー剤を使用する直前に,シャワーを使い,1~2分間程度を目安に,頭皮全体をすすぎます。
なお,アゴのラインよりも長い髪の毛の場合は,その部分の髪の毛をすすぐ時間をこれに追加します。
2.
500円玉1枚程度の量(ポンプ式ボトル入りの場合は,ポンプ1回押しの量)までのシャンプー剤を手に取り,必ず,5~6滴から最大で手にしたシャンプー剤の2倍までの水分を加えてよく馴染ませ,両手で出来るだけ細かい泡になるように泡立たせてから,その泡を頭皮と髪の毛に移してシャンプーします。
なお,アゴのラインよりも長い髪の毛の場合は,1円玉1枚程度の量のシャンプー剤を追加しても構いません。
3.
シャンプーやすすぎの最中は,絶対に,爪が頭皮に触れないようにします。
指先と指の腹の中間部分(指を軽く曲げた状態で,パソコンのキートップに触れる部分)を使ってシャンプーするのがベストなのですが,その部分でも爪が頭皮に触れてしまう場合は,仕方がありませんので,指の腹を使うようにします。
4.
シャンプー剤のすすぎは,シャワーを使い,2~3分間程度を目安に,頭皮全体をすすぎます。
なお,アゴのラインよりも長い髪の毛の場合は,その部分の髪の毛をすすぐ時間をこれに追加します。
また,すすぎに自信が持てない場合は,仕方がありませんので,シャンプー剤の泡が消えるまで流してから,必ず,息継ぎをしながら,(息継ぎの時間を除いて)1~2分間程度を目安に,お風呂に潜って頭皮全体をすすぎます。(お風呂に潜ってすすぐ場合は,どんなに長い髪の毛でも,あえて髪の毛をすすぐ必要はありません)
すすぎについて
すすぐ際,ただ単に,シャワーでお湯をかけただけでは,お湯が(全体としての)髪の表面を流れてしまい,髪の毛同士の間や頭皮にはお湯が流れないため,髪の毛や頭皮に汚れやホコリ,そして,洗浄成分までもが残留してしまうため,とてもすすいだとは言えません。
そこで,シャワーなどのお湯がかかっている部分を,手透きの手の掌を窪ませてお湯を受け止めながら,優しく髪の毛や頭皮をさすったり,受け止めたお湯を頭皮に押しつけたり弱く叩きつけたり,また,場所によっては,シャワーヘッドを頭皮に触れるか触れないかくらいの距離に保ち,頭皮に直接お湯が届くようにするなど,いろいろと工夫をしながらすすぐ必要があります。