kftfo5さんの全てが「生き残った」精子から来たのならばご質問にはYesと答えられる
のでしょうが、そうではないですよね。そうではないですよね。母親から受け継いだ
遺伝情報は、どの精子が生き残ったかには関係しません。うまいこと受精のタイミング
に合って排卵されたものがkftfo5さんに伝えられたのでしょうが、これは精子の競争
には関係ありません。したがって、「自分が勝ち残った」と考えるのは、全遺伝情報の
半分を無視していることになります。
一卵性双生児が別個の人格を持つことを肯定の根拠にしている方が見受けられますが、
私にはこれはむしろ否定の根拠とすべきことに思われます。一卵性双生児は、受精の
時点では一個の細胞だったのです。もし誰かが「勝ち残った」のであれば、この時点で
人格は一つに決まっていなければなりません。ところが、そうはならず、複数の人格が
誕生してしまうのです。受精と人格との間に1対1の対応はありません。
受精によって両親の遺伝情報は子に伝えられます。身体的な性質はもちろん、性格等の
情報もある程度伝えられていると考えられます。では、人格はどうでしょうか。また、
意識はどうでしょうか。人格とか意識とかいったものがどこから発生するのか、科学的
にはまだ未解明の状態だと思います。「生き残り」であるのかどうか、判断する材料は
無いと言えます。