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教えてください:中国(上海)で、米ドルから日本円への換金
上海の銀行でUS$→日本円に換金するのと、日本でUS$→日本円に換金するのでは、手数料などかなり変わってきますか? どちらがお得でしょうか・・・ ご存知の方、教えてください。
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上海で米ドルから日本円に両替することはお勧めしません。日本で両替するのが無難です。日本での両替はもちろん銀行で可能ですが、最近は一部金券ショップでも両替を扱っており、銀行と比べて1ドルあたり1円程度有利な両替が可能です。お近くに扱い店舗があれば利用してもよいでしょう。 A国通貨からB国通貨への両替を第三国のC国で行う場合、その受取額は「A国通貨→C国通貨」「C国通貨→B国通貨」の2段階で計算されます。ご質問の例ですと「米ドル→人民元」「人民元→日本円」の2段階で計算されることになり手数料も2回分かかります。ただし手数料(目減り)が2回分だからといって常に損とは限らず、A国やB国で両替すると手数料が大きい場合、手数料の安いC国で両替した方が有利になることはあり得ます(*1)。 中国ではどうでしょうか、実際に銀行の両替レートを見てみましょう。参考ページの[1]は上海浦東発展銀行のレートです。7月26日のレートで100ドルを人民元に両替すると750.43人民元になります。これを日本円に両替すると、750.43人民元は11,916円に相当します(*2)。1米ドル→119.16円で両替できたことになります。 一方でこの日の日本の銀行のレートですが、例えば三菱東京UFJ銀行で米ドル現金を両替すると1米ドル→117.69円になります[2]。この数字だけならば2回分の目減りがあっても中国で両替した方が一見有利に思えます。 しかしここに2つの問題があります。一つは上海浦東空港の両替所の手数料の問題です。 中国における両替レートは国家が統制しており、どこで両替しても損得を気にすることはありません(*3)。上海浦東空港の両替所もレート自体は他と同じです。しかし上海浦東空港の両替所はレートに含まれる手数料の他に、両替1回あたり最高で50元もの手数料を差し引きます[3]。中国で50元といったら大金であり物価との比較で言えば日本での5千円にも相当します。はっきり申し上げてボッタクリです。 とりあえずこの問題は、両替金額を大きくするか(だいたい501米ドル以上なら手数料免除)、あるいは空港でなく市内の銀行支店で両替すれば回避できます。しかし問題はもう一つあります。それは再両替額制限です。 冒頭に述べましたように中国で米ドル→日本円の両替を行う場合、米ドル→人民元/人民元→日本円の二段階を減ることになります。そして人民元から外貨への両替においては、再両替できる額は当初の両替額の50%に制限されています(*4)。実際には再両替額制限は弾力的に運用されているようで、金額が少なければ全額再両替できたりもするのですが、最悪の場合は半額しか日本円に戻せないことになります。そこまでのリスクを冒してまで中国で両替することはないでしょう。 日本で米ドル現金を両替する場合、銀行ですと公示仲値(マージンなしの売買中間レート)から1ドルあたり3円引いたレートが適用されます。前出の[2]はその一例です。金券ショップはこれより有利なレートを出しており、公示仲値から1ドルあたり2円引いた数字が目安です(銀行より1ドルあたり1円有利ということです)。店舗の具体例は[4-8]をご覧下さい。中には[4]のように公示仲値からの差引き幅1円50銭というところもあります。 これ以上にレートを追求するならば、三井住友銀行で1万米ドル以上の外貨預金を開設する方法、みずほ銀行で外貨預金を経由して日本円に振り替える方法、シティバンク銀行でいったん6か月以上の定期預金として預ける方法、さらにそれらに外国為替証拠金取引を組み合わせる方法などがありますが、複雑になりますので方法の紹介に留めます。 中国に渡航されて一定の出費が見込まれるなら、その分の人民元を日本円からの両替でなく米ドルからの両替で用立てる方法はあります。当初両替に充てる予定だった日本円が手付かずで残りますから、米ドル→日本円の両替を行ったのと同じことになります。 【まとめ】 (1)中国で米ドル→日本円の両替を行うことは可能ですが、米ドル→人民元→日本円の2段階の計算になります。 (2)中国では外貨への再両替に制限があり、最悪の場合全額を日本円に両替できない可能性があります。また上海浦東空港では両替1回当たり最高50元の手数料がかかるので注意が必要です。 (3)以上を考えると日本で両替することが無難です。最近は金券ショップでも両替を扱っており、銀行より1ドルあたり1円程度有利な両替が可能です。 参考ページ [1] http://www.spdb.com.cn/chpage/c473/ [2] http://www.bk.mufg.jp/gdocs/kinri/list_j/kinri/kawase.html [3] http://www.shanghainavi.com/miru/miru_r_article.php?id=47 [4] http://www.ticket-center-inc.com/gaika.htm 買取1円50銭差引き [5] http://www.ticketzone.jp/gaika/index.html 買取2円差引き [6] http://www.igami.co.jp/currency.html 買取2円差引き [7] http://kinken.homepage.jp/change/ 買取2円差引き [8] http://gaika.e-daikoku.com/ 買取2円差引き *1 米ドルを日本の銀行で両替すると銀行間レートから2.5%程度の目減りがありますが、これがシンガポールで両替すると米ドル→シンガポールドルで0.3%、シンガポールドル→日本円で0.5%の目減りで済みます(いずれも、最もレートの良い両替商の場合)。目減りの合計は0.8%ですから手数料は2回分かかっても、日本での両替より有利です。 *2 ご存じのように、実際には硬貨には両替してくれませんので、日本円として切りのよい数字に相当する人民元を銀行に渡すことになります。 *3 小規模のホテルなどでは端数を適当に切り捨てられることがあります。 *4 最初に両替した際の計算書が必要で、計算書の有効期間は6か月です。ただし米ドル→人民元→日本円と即時に両替するならこのことが問題とならないのは自明です。
お礼
参考になりました、ありがとうございました!