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初稿と決定稿の聴き比べ
私はシベリウスのヴァイオリン協奏曲が好きでよく聴いています。この曲は初稿の録音も出ていて、決定稿とは違った一つの作品として楽しめます。シベリウスはこの他にも交響曲5番などで大改定を施しています。これも初稿の録音が出ています。このようにシベリウスが初演後に大改定を施した曲は全部で5曲あるそうです。 作曲家が初演後に少し手直しをすることはあると思いますが、曲の構造を大きく変えるようなことはよくあるのでしょうか。また、初稿と決定稿両方の録音があり、それぞれを一つの作品として楽しめるような曲は他に何かありますか?シベリウスの曲以外で知っている方、お勧めのものがあれが教えて下さい。
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こんにちは。 改訂魔として有名な作曲家に,ブルックナーという人がいます。 9曲の交響曲を残していますが,その中にいくつか大改訂が行われたものがあります。 ☆交響曲第4番「ロマンティック」 ☆交響曲第8番 4番と8番は一般的にもそこそこ知られている作品ですが,初稿では大幅に曲が違っています。 たとえば4番のスケルツォ(第3楽章)はまったく違う曲に入れ替わっていますし,8番の第1楽章は,決定稿では消え入るように終わるのに対し,初稿ではファンファーレ風に華やかに終わります。 インバル/フランクフルト放送交響楽団のものが入手しやすいでしょう。(インバルは,ブルックナーの交響曲の初稿による全集を完成させています) http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%BC-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC4%E7%95%AA-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%88%E6%94%BE%E9%80%81%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%A5%BD%E5%9B%A3/dp/B00005HID4/ref=cm_lmf_tit_10_rdssss0/249-6879513-6230750 http://www.amazon.co.jp/%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%BC-%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC8%E7%95%AA-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%88%E6%94%BE%E9%80%81%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%A5%BD%E5%9B%A3/dp/B00005HID6 そのほか,それほど有名な曲ではないですが,交響曲第1番や第3番「ワーグナー」も大改訂が行われています。 次に,マーラーです。 ☆交響曲第1番「巨人」 花の章 現在知られている「巨人」は4楽章構成ですが,当初,マーラーはもうひとつ楽章をつけていました。それが「花の章」です。「花の章つき」のCDはそれなりに出ていますのでお好みで。 ☆交響詩「葬送」 交響曲第2番「復活」の原型となった作品です。 私自身は聴いた事がありませんので,どのくらい違っているかは分かりません。申し訳ありません。 ちょっと調べたところ,シャイー/コンセルトヘボウ管弦楽団が「復活」と「葬礼」をカップリングさせたCDを出しているようです。 http://www.hmv.co.jp/Product/Detail.asp?sku=154696 (試聴部分はほとんど同じでした・・・) それから,改訂とはちょっと意味が違うかもしれませんが, ☆ムソルグスキー 交響詩「はげ山の一夜」 一般に知られているのは,リムスキー=コルサコフが編曲したものですが,ムソルグスキー自身もオーケストレーションを完成させています。原典版の方がより野生的です。 録音はいくつかあるようですが,ムソルグスキーおたくとしても有名な(笑)アバドのものが手に入りやすいでしょうか。 http://www.amazon.co.jp/%E3%83%A0%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC-%E5%B1%95%E8%A6%A7%E4%BC%9A%E3%81%AE%E7%B5%B5-%E3%82%A2%E3%83%90%E3%83%89-%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA/dp/B00005FI0U
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- Hi_Ge
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No.2です。 質問と全然関係ないのですが、ピアノの超絶技巧を聴きたいのであれば、別にペトロフの演奏したマイナーな(?)曲ではなくて、こちらの超絶編曲もののCDのほうが、断然おもしろいと思います(演奏しているピアニストは、世界屈指のテクニックを持っている人です)。 http://www.amazon.co.jp/Piano-Transcriptions-Johann-Sebastian-Bach/dp/B0000029T8/ref=pd_bbs_3/250-3898250-3070635?ie=UTF8&s=classical&qid=1179133248&sr=8-3 ・「カルメン変奏曲(ビゼー=ホロヴィッツ編曲)」 ・「ハンガリー狂詩曲第2番(リスト=ホロヴィッツ編曲)」 ・「熊蜂の飛行(シフラ編曲)」 ・「チャイコフスキー交響曲第6番より、第3楽章(フェインベルク)」 ・「トルコ行進曲(ヴォロドス編曲)(モーツァルトもビックリ)」 ETC..... 華麗なる指さばきと、怒濤のオクターブ連打に、唖然とさせられます。とにかく凄いですよ。
お礼
回答ありがとうございました。 悲愴はオケで演奏したことがあるので、ピアノ版も興味あります。聴いてみたいです!ありがとうございました。
- geneticist12
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異なる改訂版があるという曲はたくさんありますが、曲の構成や楽想まで大掛かりに改定した曲というのは、あんまり思い浮かばないですね。 他のかたも挙げておられる、プロコフィエフ「交響曲第4番」(初稿のほうがとんがっていて好きです) ヴォーン-ウィリアムス「交響曲第2番」(原典版はヒコックス指揮で録音一回限り遺族が許可したとか。シベリウスの改訂に匹敵するかも) ムソルグスキー「禿山の一夜」(一般に流布しているのはRコルサコフ改訂版。原典版はずいぶん違う) ショスタコービチ「ムツェンクス郡のマクベス夫人」と「カテリーナ・イズマイロヴァ」(後者は過激なところをカット) 曲の流れが変わるほどでもないけれど、かなり味わいの異なる原典版・改訂版だと、 シューマン「交響曲第1番」「交響曲第4番」(特に後者。どちらも改訂版のほうが一般的)。 マーラー「交響曲第1番」(最近、全集スコアの全面校訂が行われて、旧版とは印象の異なるところがある。他の交響曲も(未聴)?) 原典・改訂というのとは違うけれど、「第10番」の補筆完成版は補筆者によって、指揮者によっていろいろ違っていて面白い。 ストラヴィンスキーは改訂魔で、3大バレエなんかは、出版された最終稿は1960年代後半だったと思いますが、その後も死ぬ間際までちょっとずつ変えていたんでないかしら。多くの指揮者は最終稿より前のスコアを使っていることが多いようです。テレビでみたサカリ・オラモの組曲版「火の鳥」のフィナーレのコラールがスタッカート気味で変な演奏だなと思いましたが、どうやら最終稿を使っていたらしい?
お礼
回答ありがとうございました。 ヴォーン-ウィリアムスという名前は始めて聞きました。シベリウスのVn協奏曲は初稿の演奏を禁止されてましたが、シベリウスの死後に遺族が解禁したと思います。改定前後の2曲を演奏する演奏会もありました。ヴォーン-ウィリアムスに関しては録音一回限りの許可なんですね。 ショスタコは5番しか聞いたことがありません。これもまだ手を出しがたい存在です。 シューマンの1番はオケで演奏しました。これも改定版だったのか…。一般的に改定版の方が有名なんですね。改定して失敗するケースはないんですかね?原曲の方が有名で改訂版の演奏は禁止みたいな。ないか。 改定版失敗につき演奏禁止とまでは行かなくても、火の鳥みたいにスコアを選んで演奏するということもあるんですね。シベリウスのVn協奏曲に関しても、いずれ演奏に際してスコアの選択を迫られるだろうなんて評してありましたが、私は決定稿の方がまとまっていて断然いいと思います。始めて初稿を聴いたときはカデンツァが迫力があってかっこいいと思いましたが、全体的に見たら浮いてる気もします。 ストラヴィンスキーが改訂魔というのは始めて知りました。というかストラヴィンスキーも手を出しがたい作曲家です。今度オケで火の鳥を演奏するので、これを機に聴いてみようと思います。
- miyamoza
- ベストアンサー率33% (18/53)
グリンカの「モーツァルトの主題による変奏曲」が、1822年の初版と1856年の第二版の両方がシベリウスのバイオリン協奏曲の両版を出しているBISから出ています(ピアノは両方ともリャプチコフ)。第一版は演奏時間も13分弱と長く、聞きなれぬ変奏が次々と出てきます。サロン風な曲としては第二版がまとまっているとは思います。 ところで、この曲のモーツァルトの主題がいまだに良くわからないのですが(原題は『モーツァルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」の主題による変奏曲』) 、CDでは魔笛の第一幕からとられた、となっており、聞いてみても似てはいるもののズバリこれ、というのがわかりません。便乗ですが、どなたかご正解をいただければと思います。
お礼
回答ありがとうございました。 以前ルスランとリュドミラ序曲をオーケストラで演奏したことがありますが、これ以外にグリンカの曲は知りませんでした。この改定も第二版までの間が長いですね。しかも亡くなる直前に改定してますね。 改定するに至った経緯とかもおもしろそうですね。シベリウスのVn協奏曲は、初演したソリストの技術では意図したものを表現し切れず、ある評論家から酷評されたため改定したそうです。
- Hi_Ge
- ベストアンサー率50% (11/22)
オーケストラ作品ではないのですが、 リストの 「パガニーニによる超絶技巧練習曲S.140(1838年)」 ↓ 「パガニーニによる大練習曲S.141(1951)」 が有名だと思います。 ラ・カンパネラは、一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。 曲の構造は、ほぼ同じですが、難易度が全然違います。一般に出回っているのは、「パガニーニによる大練習曲」の方で、「パガニーニによる超絶技巧練習曲」はあまりの難しさから、録音が殆どありません。特に、第4番は「は・・?」と思うほど難しい・・・・・ どこがどう違うのかは、このサイトが楽譜を比較しながら解説しています。 http://www.ne.jp/asahi/piano/natsui/Paganini2.htm 超絶技巧練習曲は、ニコライ・ペトロフが鮮やかに弾ききった録音(OLYMPIAというレーベルです)があるので、聴く場合はコレをオススメします。 ただ、ハッキリ言って、ラ・カンパネラ以外の曲はそんなに良い曲じゃないと思うので、興味がない場合は買わなくてもいいかな・・・・。
お礼
回答ありがとうございました。 ラ・カンパネラはフジ子・ヘミングのCDを持っています。そうとう難しい曲だと思っていたのですが、初稿はもっと難しいんですね! ピアノの超絶技巧は興味があります。最近カツァリスのベト5(リスト編)のCDを買いました。ニコライ・ペトロフも聴いてみます。
- uni37
- ベストアンサー率46% (171/370)
ぱっと思いつくところではプロコフィエフの交響曲第4番で、作品番号47(1930初演)と同112(1947作曲)の二つがあります。これなどは初稿と決定稿というよりは、第一楽章などは根本的に書き直されているため、以前の素材を使った別の曲といったほうがよいかもしれませんが・・・。いずれにせよ、どちらも聴き応えのある曲です。
お礼
回答ありがとうございました。 プロコフィエフですか!プロコは今までにピアノコンチェルトとVn協奏曲、Vnソナタしか聴いたことないです。交響曲も聴いてみます! プロコの4番は初稿と決定稿の間が結構開いてますね。シベリウスのVn協奏曲は2年くらいだったと思います。いずれプロコ聴きます。
お礼
回答ありがとうござました。 ロマンティックは以前オケで演奏したことがあります。あれは改定版だったのか…。私はまだクラシック初心者で、ブルックナーやマーラーにはあまり手を出してません。オケでブル4を弾いたときはあまりのロマンティックさに弾きながら眠りそうになりました。この演奏会の次の回の演奏回は客の入りが悪かったのを鮮明に覚えています。70分はやっぱり長いです。 構造を変えるのではなく完全に違う曲に変えることもあるんですね。ブル4の3楽章は初稿の跡形もないのでしょうか?再度ブルックナーに挑戦しようと思います。ブル4をまず聴いてみます。 マラ1、マラ9はCDを持ってます。「花の章」は知りませんでした。楽章丸ごとカットというパターンもあるんですね。マーラーもブルックナー同様にまだ手を出しがたいところです。「復活」と「葬礼」をカップリングは聴いてみたいと思います。 編曲者の違いもおもしろいですね。はげ山は原曲の作曲者自身の編曲という点が興味ありますね。また少し意味は違いますが、カルメン幻想曲はサラサーテ、ワックスマン、フーバイといろいろありますね。