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肺の楔状切除とリンパ節切除について
父(72歳)が肺がんと診断されました。右肺下葉に2cmほどの黒い陰があるそうです。大学病院の先生の話によると、手術が必要で、「右肺下葉全て」と「リンパ節」を切除するそうです。右肺下葉全てではなく、陰のある部分だけの切除はできないのですか?と質問したところ、部分切除(楔状切除)は危険が伴うとのことでした。また、リンパ節については、説明がなかったのですが、切除するようです。ここでお聞きしたいのですが、 1.楔状切除とは、危険を伴う手術なのでしょうか?(一般的ではない?) 2.右肺下葉を切除することによる副作用はどのようなものなのでしょうか? 今のところ、父は元気なのですが、手術後の体力低下が心配です。 通常の生活に支障はないレベル? 3.リンパ節まで切除する必要があるのでしょうか? また、リンパ節を切除することによる副作用はどのようなものなので しょうか?
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- blackleon
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2cmの肺癌が右の下葉に発見され、大きなリンパ節転移も遠隔転移もないときに、「肺葉切除+肺門、縦隔リンパ節を切除する」というのは、最も標準的な外科治療です。 楔状切除などの部分切除は、低肺機能などで肺葉切除が出来ない人がやむを得ず受ける手術と考えてよいでしょう。 もちろん、近年CT検診などで数ミリ程度の肺癌が見つかることも珍しくなく、そのようなケースでは部分切除でも良いことがあるとは思います。しかし、現状でどの程度の大きさで部分切除でよいかという明らかなエビデンスはありません。今後の検討課題です。 現在はっきりとしているエビデンスは、一期症例(癌の大きさが3cmより小さい)で、「肺葉切除+肺門、縦隔リンパ節を切除」という標準療法と「肺の部分切除」を比較したときには、再発率も5年生存率も明らかに「部分切除」の方が劣っているということです。 部分切除でも肺門や縦隔のリンパ節を切除することは出来ますが、肺の中のリンパ節が残るので、そこから再発することが多いのです。 肺はリンパ組織が非常に豊富な組織で、癌はそのリンパの流れに乗って広がりますから、レントゲン写真で見えなくてもリンパ節に広がっていることが多いのです。 個々の質問回答ですが 1、楔状切除とは、危険を伴う手術かということについては、術式そのものは危険とはいえないが、再発の危険は高いといえます。 2、右の下葉を切除すると肺活量が低下しますが、他の部分がある程度代償しますのでもともと肺に病気が無く肺活量が保たれている方であれば、日常生活に支障が出るとは思えません。 3、リンパ節まで切除する必要は、当然あります。いままでの説明でわかっていただけると思います。残すことによる再発の危険の方が、リンパ節を切除することによる問題よりはるかに大きいと思います。