髪の毛の専門家,理容師です。
以下に書くことは,いずれも可能性の域を出ていませんので,場合によっては,別の原因によることも充分考慮してください。
ベリーショートヘア以外のヘアスタイルの場合,酸性リンスをしていませんと,髪の毛のボリュームがなくなっても不思議はないと考えられます。
というのは,石鹸シャンプー剤を使用しますと,頭皮と髪の毛の表面が弱酸性からアルカリ性に傾いてしまい,その結果の一つとして,キューティクルが開いてしまいます。
髪の毛は,本来,硬いキューティクルに覆われていることで,髪の毛にとって大切なタンパク質の流出を防いでいるのですが,そのキューティクルが開くことでそこに隙間が出来てしまい,その隙間からタンパク質が出て行ってしまうようになることがあります。
特に,髪の毛が汗や雨,シャワーなどで濡れますと,タンパク質(正確には,アミノ酸)の流出が多くなります。
そうなりますと,それまで,中身が詰まっていたために硬くて太い状態を維持していた髪の毛も中身が空いてしまうわけですから,髪の毛1本1本が立ちにくくなりますので,全体としてはボリュームがなくなることも充分考えられるというわけです。
別の理由も考えられるかもしれません。
それは,頭皮の健康を損なっている可能性です。
そうなる理由は,二つほど考えられそうですね。
その一つは,上記と同じで,酸性リンスをしていないことです。
シャンプーしますと,シャンプー剤の泡は髪の毛だけでなく頭皮まで付着します。
これは避けることが出来ないことですから,どうしても頭皮までアルカリ性に傾いてしまいます。
頭皮の免疫機能は弱酸性の状態で最大に発揮される仕組みになっているものですから,もし,弱酸性以外のpHになってしまいますと,免疫機能は低下してしまいます。
もちろん,短時間ではその影響もほとんどないと言えますが,もし,酸性リンスをしませんと,いつかは皮脂によって弱酸性に傾くときがくるかもしれませんが,皮脂自体が弱酸性ですから,酸性リンスのように簡単に弱酸性に傾くことはありませんので,免疫機能が退化した状態が長くなり,何らかの雑菌や有害物質などによって頭皮の健康が損なわれてしまう可能性はあると考えられるのです。
また,もう一つの理由としては,石鹸シャンプー剤も合成シャンプー剤だと言うことに気づかず,市販シャンプー剤と同じ使い方をしている場合,つまり,洗う方は一生懸命してもすすぎを疎かにしていますと,シャンプー剤に含まれている洗浄成分によって頭皮の健康を損なうようになると考えられます。
薄めて使用する石鹸シャンプー剤でしたら免れることも多くなるかもしれませんが,購入した状態のまま使用する石鹸シャンプー剤(ただし,固形シャンプー剤や半固形シャンプー剤は除く)の場合,この可能性は一段と高くなると考えられます。
頭皮の健康を損なうとどうして髪の毛のボリュームがなくなるかについてですが,これは,頭皮の回復を促すためには,それまでに頭皮が必要としていた栄養よりも多くの栄養を必要とするようになり,余分に必要として頭皮が奪う栄養は,元は,髪の毛を作る毛根に渡される栄養であることが多いため,毛根が充分健康な髪の毛を作ることが出来ず,つまりは,中身がしっかり詰まっていない髪の毛しか作れなくなるため,髪の毛のボリュームがダウンしてしまうようになるというわけです。
ちなみに,石鹸シャンプー剤の使用にかかわらず,長期間病気や怪我を患い,その間の栄養管理が出来ていない場合,同じように髪の毛のボリュームがなくなったり,薄毛やハゲになる可能性は充分あるといえますよ。(ただし,ガンの化学治療によって薄毛等になったなど投薬に由来する場合は,話は別です)
ということで,まずは,石鹸シャンプー剤の使い方が正しいかどうかを確認してみてくださいね。
お礼
これからリンスします。