本当は公式な第一人者という言い方はよくありません。
第一人者は文句なく羽生くんなのです。
しかし、公式の序列は竜王一位、名人二位、以下と続きます。
連盟が公式な第一人者を公示すれば序列との軋轢が生じます。
したがって公式にはタブーとなり発表も慎重になります。
ですが誰しもが心の中では羽生!と非公式に思っています。
第一人者というものの指標にするとすれば通算タイトル数でしょう。
羽生くんの強さは驚異的であり、現役のA級では2位以下に
大きく差をつけています。
これはどの年代でもコンスタントに勝ち続けてきた証しです。
一時の好不調でなく常に主役の座に居続けるのです。
一括りに羽生世代といいますが、この世代は羽生という
絶対的な求心力を軸に切磋琢磨してきた非常に珍しい世代です。
文献によりますとそれは小学校の時から続いていたらしい。
佐藤、森内両くんにしても丸山くんにしても
それぞれが一時代を築けたであろう力量を持っています。
その結果、かつての時代ならタイトルをもう少し取れたであろう
A級下位の棋士達は完全に圏外に吹き飛ばされています。
今こうしてレベルの高い試合を見られる我々は幸せかもしれません。