学費等の具体的な問題は、このようなサイトで間接的に情報収集するのではなく、直接に入学説明会で質問するとか、大学の通信課程事務局に照会する方が確実であり、また、そうすべきです。近年、少子化の影響で学生数が年々減少する傾向にあり、大学側も募集広告に力を入れているので、なおさら親切・丁寧に対応してくれるはずです。
それと、法律学には、制度や手続に関して理解するべき場面が多いので、通信制には入試がないものの、その課程における履修システムや所定の手続については、極力理解に努め、不明な点は自ら調べるという姿勢・習慣をもつことが、法律を勉強する上での最低限の資質かと思います。
法学部に限らず、凡そ大学の課程は、所定のシステムの中から、自ら選択し自ら手続することの連続であるともいえるのです。高校までのように、事前にお膳立てされているものではありません。
さて、単位数は科目によって決まっています。入学案内で科目名の右隣にある丸数字が、各々の単位数です。1単位、2単位、4単位に分かれています。
1単位についてレポート1通を提出し、それが合格しなければなりません。例えば、中大の場合、「憲法」は4単位なのでレポート4通の合格、「外国法概論」は2単位なのでレポート2通が合格すれば、科目試験を受けることができ、それが合格すれば所定の単位数を修得することになります。
また、スクーリングを受講したら、2単位が換算されます。つまり、4単位の科目はレポート2通の提出が免除されます。2単位の科目の場合は、レポートが2通免除されることによって、そのまま科目試験を受けることができます。
結局、単位とは、その科目で履修すべき分量を表す数字です。
また、学費は科目毎に課されるものではありません。中大の場合、年間の授業料は、8万円に固定されています。この授業料には、全科目についての教科書代、レポート添削料、科目試験の受験料等々の諸費用が一括して含まれています。ですから、授業料に限っていえば、8万円に卒業年数を掛けたものがトータルの金額になります。
これとは別に、スクーリングには別途受講料がかかります。スクーリングの種類によって、その金額が異なります。「夏季スクーリング」は1科目につき6千円、個別科目について各地で行われる「短期スクーリング」は1万円、ネット配信による「オンデマンド授業」は1万5千円です。
つまり、質問文にある「1科目6千円~1万5千円」というのは、スクーリングの受講料を指しているのです。
卒業要件として、スクーリングで30単位を修得する必要があります。つまり、最低でも15科目程度はスクーリングを受講しなければなりませんが、どの種類のスクーリングを受けるかは人によってケースが異り、また、受講時の交通費やホテル代も考慮に入れる必要があるので、一概に算定はできません。
通信制も通学課程と同様にカリキュラムは4年に設定されています。ですから、システム上は最短4年で卒業することは可能です。しかし、前の回答で他の回答者様も再々提示されているように、実際の卒業年数は相当に長くなる傾向にあります。仮に順調に単位を消化したとしても、最後の卒論に1年程度を費やすのが普通です。
さらに、上述のスクーリング等の兼ね合いもあるので、当初から卒業までの全費用を算出するのは難しいのです。
なお、以上の学費体系は、他の通信制大学でも基本的に同じです。
質問文にある慶大の「固定の学費364,000」というのも、以上の記述と同様にスクーリングを除いた学費で、その4年分の合計だと思います。
通信制は通学課程と違って、毎日授業に出るわけではないので、高額な授業料や施設使用料等がかからず、専ら郵送によるレポート添削での指導なので、学費が通学課程の1割程度に抑えられているのです。
そして、通信教育の「通信」の所以は、この「郵送によるレポート添削」のことなので、当然にレポートが通信課程のメインとなり、学生にとってはこれがネックにもなるのです。特に、専門科目のレポートを作成するにあたっては、教科書だけでは足りず参考書も必要になり、これも表には出ない費用になります。
このように、所定の学費の他にスクーリングでの交通費、ホテル代や参考書の購入等を含めると、総費用は通学課程の2割程度になるのでしょう。
お礼
何度もご丁寧にありがとうございます。 大学に問い合わせたところ、 NO4の方が教えてくれた入学説明会へ来るように言われたので、行ってみます。 morimaru47さんの文章を読んでいると、自分もこのような理論的で解り易い文章を書きたい!という点と、 おっしゃる通りだな!という2点でヤル気がみなぎってきます。 情報と同時にパワーも頂きました。 ありがとうございました。