- ベストアンサー
落合選手の視線
現中日監督の落合が現役時代、バッターボックスに入って投球を待つ時、ピッチャーが投球動作に入るとふっと視線を落として、一瞬3,4メートル先のグラウンドを見ました。それから再び視線を上げ、ピッチャーをしっかり見て、打撃動作に入りました。テレビでこの微妙な視線の変化に気づいて、いつも不思議に思っていました。これをしたのは落合だけです。あの、一瞬視線を落として外すことによって、落合は何をしようとしていたのでしょう。私は二つ考えています。一つはヘッドアップを避けること。もう一つは、一瞬視界を変えることによる集中力の高まりです。誰も触れていませんが、意外と落合の打撃の真髄がここにあるかも知れません。みなさんの感想、意見をお聞かせください。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
私は落合博満さんが現役引退まで(特にセ移籍後TV中継されるようになってからは)毎日のようにTV観戦を「まさに落合さんのバッティングを見たいがために」続けていました。 私も当時それが気になり、TV(か他のメディアか)で、どなたかがか、落合さん自身から聞いた話かを説明されていて「なるほどなぁ」と思った(というより、驚愕した)覚えがあります。 なにぶん私も(一応野球経験者ではありますが)素人ですが、理屈上は解ったつもりになって書かせていただきますが、それはご容赦ください。 こういった質問をされるくらいですから質問者さんも充分ご存知かと思いますが、よくプロの中でも超一流といわれる打者は、投球されたボールと自分のスイングするバットの軌道でミートするポイントを「点」では無く「線」で捉えるといいますよね。 当然「点」だと「その一ポイント」でしかボールを捉える事が出来ないが、「線」で捉えれれば「そのライン上」をバットが軌道すれば、よりミート出来る確率が高くなるわけですよね、それが仮に変化球であろうとも(無論それで全てではありませんが、「ボールをうまく捉える」という観点においてのことです)。 そして落合さんは、まさに「そのライン(球筋)を前もって見ている(シュミレートしている)」と言うことらしいいのです。 前もって打席に入る前に、そのピッチャーの特徴・調子、以前の対戦成績、現在の状況、自身のコンデション・・などなどから、基本線としての(そこに来たら初球でも必ず)打つ球を決めて(用意して)打席に入り、(特に晩年は内側が多かったですが)投手の手から放たれたボールが(自分が捉える)ミートポイントまでの「ライン(球筋)」をその空間に引いて、目で(自分の中で)たどってシュミレートしているようなのです。 そして、その(一度自分の目でたどった)ラインに来たボールを必ず打つということです。 素人でも一応野球を知っている人なら理屈では解ると思いますし、口で言うだけなら簡単な事ですが、「狙った(用意したラインに来た)球を確実にミートする」、それは正に「神業」に近い話です。 一度目でたどってるとは言え、実際には18,44m弱の距離を、まばたきしてる間のわずか0,4秒くらいで過ぎ去っていく物凄く速いボールですからね。 もちろん、時にミスもありますし、ミートした球が野手の正面行くか間に行くかスタンド行くか、結果は別です(一応念のため)。 ですが、描いたラインに来た(と思われる)ボールなら、ほとんど確実にミートしてました。 私がそれを聞いたのは、確か中日に移籍してそんな後ではなかったと記憶しているのですが、それを知ってからは今までにも増して、落合さんのその目線を気にするようになりました。 そして落合さんは確かに、その目線のラインに来たボールをほぼ間違いなく打ちに行き、早いカウントであればあるほど、ほとんど確実にミートしていたように記憶しております(やはり追い込まれればストライクでの勝負はして来なくなりますからね)。 だから落合さんは(どんなにその球質自体が優れていようが)コントロールの良く、球種の少ない投手を得意としていました。 例えば、泣く子も黙るバリバリ時の「大魔神 佐々木主浩投手」です。 狙った真っ直ぐをほとんど捉えてHRにしてました(物凄い対戦成績だったはずですよ)。佐々木さんは落合さんの顔見たくも無いと思いますよ。 ここで少し気になると思うのですが、「じゃあ、相手投手も落合さんの目線をよく見てれば、待っている(打とうとしている)球が判るのではないか?それを投げなければいいのじゃないか」と思われるかもしれませんが、ご存知のように(少なくともセ移籍以降は)落合さんのウイークポイントは「インコース高めの速い真っ直ぐ」というのは共通の認識でしたし(まぁ殆どの一流打者はそこに行き着くのですが)、落合さんも基本線をそこに置いているようでした(その他は対応出来るから)。 逆に言えば、落合さんの場合はそれ意外のボールではどうしょうもなく、アウトハイでも(快調なら)ローでもライトスタンドまで運ぶ技術・力をお持ちでしたから。 大事な事は、そのとき、その自分の目で、その(それぞれ体格の違う)ピッチャーから放たれるボールの軌道・ラインを前もって見ておく(頭の中でシュミレートしてしまう)ということの方でした。 余談ですが、オールスターの東京ドームで当時パの全盛期の工藤投手の投げたインハイの147km/hの真っ直ぐを、肘を折りたたんだままミートして腰の回転でレフトスタンドまで運んだ、あの一打は未だに頭に残る(私にとって)落合さんのベストショットのひとつです。 工藤投手は呆れた顔で笑ってましたし、私ら素人には訳判りません「何でインハイの速球を肘たたむことのよってバットの芯にとらえ、そのまま腰を回転できて、遥か100m以上ものスタンド中段までボールが飛ぶの?」 もう、神業です(ほとんど漫画です^^;) 落合さんも「子供は真似しないように(笑)」と仰っていましたよね、解説者は「子供が真似たらただのボテボテの内野ゴロか、下手したら体壊します」と言っていたような記憶があります。 あとロッテ時代は、鞭みたいにしなったバットでインハイの真っ直ぐをライトスタンドまで運んでましたよね(もう分からない!^^^^!) ちなみにイチロー選手のはなしも出ているようですが、あれだけの選手ですから落合さんと似たような感覚でいどんでいるのかもしれませんが、少なくとも私の知る限り「目の(レンズの)トレーニング(調整?)」のようです。 投手の方に立てたバット(50cmほどの近い位置)と、バックスクリーンのいつも決まってる場所(140m前後の遠い位置)を交互に見て、最後に投手に目(ピント)を合わせる。 たしかこれも(忘れてしまったのですが)イチロー選手ご本人か、イチローさん近しい知り合いからのメディアを通しての情報ですが。 本当に長々とまとまりも泣くスイマセン もし、参考にしていただけるなら幸いです。
その他の回答 (3)
- IXTYS
- ベストアンサー率30% (965/3197)
落合博満さんは日本の野球を変えたといっても良いほどの大打者です。 日本では長く『川上理論』なる『大根切り打法』がもてはやされ、多くの有能なバッターが犠牲者になっています。 No.3の方も書かれているように、『点』でボールを捉えているのです。 ところが、落合さんは『線』で捉える打撃理論を確立されたのです。 それまでの『大根切り』は所詮『ドアースウィング』に過ぎません。 落合さんは『ボールを呼び込む打法』を確立された方です。 彼の打席でのシミュレーションはボールを身体の正面で捉えるための儀式だったと思います。 ボールを線で捉える感覚は体験した者にしかわからない不思議なものです。 個人的な感想ですが、私の場合はバットの柄の部分で切腹する気持ちでスウィングしていました。 こうするとバットとボールの接触が面となっていくのです。 私がこの感覚を体得したのは、1960年代の始め頃で、まだ川上理論が全盛でした。 その後、田淵選手にその片鱗を、そして落合選手に完成形をみました。 MLBでは三年前に引退したエドガーマルチネス(マリナーズ)に理想形があります。
- Forseti
- ベストアンサー率19% (84/431)
3、4メートル先の地点でボールを捉えるのかもしれませんね。 その地点でコース・球種を確認し打つか打たないか、打つときはどんなスイングで打つのか、右か左か・・・ その地点を空間として意識しておけば、少なくとも準備不足のままスイングすることはないでしょう。 投球フォームが各選手ばらばらな上、球の出所が違うのならば、 投手を見るより絶対にボールが通る地点を張っていたほうが確実に捕まえられると思います。 それと一瞬視覚を変えることで集中力は高まらないでしょ。 目が居つくことを避けるために視線を変えることは有効ですが、逆に一点に対する集中力は落ちます。 バットでベースの角を確認するような動作をする選手もいますし、フォーム以外のチェックポイントが各打者にはあると思います。 イチローが一度立てたバットに目をやり投手を見るのも、 外野守備で80mからの距離を見る目から18.44mを見る目に変えるためであり、これが彼なりの準備の仕方です。 そして目線を下げるのが落合流の準備なのでしょう。
同じ動作を繰り返す事により精神的にも肉体的にも練習の時と同じ状態を保つ為のしぐさでしょう。 イチロー選手も同じ動作を繰り返すし、ゴルフのタイガーウッズも同じしぐさでショットをします。
お礼
ご丁寧にありがとうございました。にしても、落合がいかに頭をつかうバッターであったか、よく分かりますね。こう見ると、野球の面白さがぐっと深まります。落合はこのことを直接語っていないようですが、ここから入ったら、さぞ奥深い打撃論が聞かれることでしょう。回答者さんも言われるように、確かに落合の達人的な打撃は、ずっと眼の残像として残って消えません。私もはっきり幾打席か、記憶があります。