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セーフガードについてお聞きします。
最近、セーフガードについて大学の授業と関連しているため調べています。それで根本的な質問なのですが、セーフガードは日本にとって良いことなのでしょうか?それとも悪いことなのでしょうか?発令に伴い、日本の農家の人達が保護されることは分かります。しかし、消費者の立場から言えば農作物の価格の上昇が迷惑を被っていることも事実です。私はもっと経済的視点から見た知識が知りたいので、お分かりになられる方はぜひ教えてください。
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- katsuos
- ベストアンサー率36% (18/50)
ご存じのように、セーフガードを発動しても、その有効期間内に「国際競争力への対応」が義務づけられていますので、いずれ市場は開放され「農家を守る」ことにはなりません。「先延ばし」にはなりますが。これは、日本がWTOに入っている以上、避けられません(脱退すれば別ですが。もっともアメリカは入っていても、自国農業の利益を最優先してますけどね)。根本的には、日本が独立国として独自の農業政策を確立することが必要であって、セーフガードへの対応だけが農政の問題ではないと思います。そもそも、国土が狭い日本で「国際競争力にたえられる」農業を行うことは至極むずかしいと思います。コスト勘定だけで食糧問題を論じる必要はないと思いますけどね・・。日本の農産物が「高い」のは事実ですが、外国との比較は為替レートの上下でいくらでも変わります。暴論でしょうけど、消費者がみんな給料が上がれば、ちょっとぐらい高い農産物でも買えますでしょ? お望みの「経済的視点」というのが、どんな「経済」のことなのか、よくわからないので、いろいろ書きました。ちなみに、私は農民ではありません。
- hanshin
- ベストアンサー率25% (49/196)
セーフガードは多分に政治的な配慮がその前提にあると思います。 先進国にも第一次産業があって、これらは国防的、政治的な観点から 保護されています。 一般的に有事においては輸入が制限され、自国内で生産する食物が 国民生命の糧になるからで、これは米国においても同様だと思います。 ただ、日本は食物の自給率が極端に低く、コメ以外は輸入に依存する 体質でもあり、経済的合理性だけで論ずるには危険な側面もあるように 思います。 また、将来において中国からの農作物輸入もその他の製品輸入も 増加の一途にありますが、もし中国元が円に対して過激に切り上がったら 日本国内に輸入インフレが始まり物価が急激に上昇します。 対中国との関係は政治的には膠着状態のようですが、経済的には 切っても切れない関係がすでに出来上がっていると思います。
- delmondo
- ベストアンサー率41% (74/178)
良いか悪いかは現時点では各企業によって別れるところですし、良いか悪いかの結論を出すものでもないように思います。というのは同じ農産業、繊維産業でも国内に拠点を持つ企業と海外に進出したり開発輸入を行う等して成長している企業もあるからです。ユニクロやしまむらなどは良い例です。 そもそも何故セーフガードを発動しなければならないのか、ですが、繊維産業においても農産業においても競争力の低下があげられます。経済学的に言うならどちらも労働集約型産業ですから当然人件費の高い日本では比較優位の観点からも競争力がなく衰退産業と言えるでしょう。また、繊維産業の衰退ぶりは「繊維製品輸入浸透率」からも明らかで年々急増しています。かつては日本の10%を占める代表的な輸出産業でしたが、次第に工業製品、つまり自動車や精密機械などがとって変わったことや1985年のプラザ合意以降の急激な円高ドル安が貿易環境に影響を与えたことも繊維産業の競争力を弱めた原因でもあります。 また、御存じのように政治家にとって農家は大切な票田でもありますので過剰な保護があります。これは欧米も同じです。セーフガードの問題は政策問題でもありますので消費者のメリットという観点からだけでなく政府の貿易政策の観点からもアプローチをしたほうがいろんな発見があると思いますよ。
お礼
本当にありがとうございます。セーフガード発令の経緯や、それが何を表すのか本当によく分かるお話でした。経済学部で学び3年がたちますが、ここまで端的に説明が分かったのは初めてです。
お礼
返信ありがとうございました。中国と切っても切れない関係にあることは、非常によく分かります。しかし、以前騒がれた教科書問題等からも分かる通り、日本はその過剰な行動が中国に迷惑をかけているため、このセーフガードを通しても信頼関係は崩れていく一方な感覚を受けます。このままの日本で、中国との信頼関係など築けるのでしょうか??難しいお話です。