一般の方々は鍼灸の治療法について大多数が理解されておられないと思いますので大雑把にこの「肝機能が低下している」と云われた件に対して私しなりの説明をさせて頂きたく思います。
鍼灸治療は、大きく分けると「本治法と標示法」があります。
本治法は、全身のバランス調整を指します。
標示法は局所的な治療を指します。
今回のご質問の「肝機能が低下している」と云う意味は、tomo8864さん
の生体機能全体のバランスの中で「肝」の力=働きが弱い状態であったと思われます。おそらく「病気だ」とは言わなかったとおもいますが?
本来、鍼灸治療は、古来より「未病を治す」ことを重視しております。
つまり、体に病的状態が発現しない前に正常な状態に修正する事が一番の眼目であります。現在の予防医学です。
現代医学は、血液・尿・電信反応・画像診断等によって生体異常を検出して正常範囲外を病気として病名を付けて対応しておりますが、
患者さんの不定愁訴が有っても検査数値に異常が無い場合は、患者さんが辛い状態であっても適切な対応もなく診断書も出せない事も多々あるやに聞いております。
診断書が無ければ仕事も病欠として認められませんから仮病と云うこととなってしまいます。
鍼灸治療の歴史を遡りますと、養老律令発布(718)以来・明治二年(1896)典薬寮(当時の厚生省)が閉じられるまで約1151年間続いた医療の主流でした。(注:典医の歴史・山田重正著・思文閣出版)
「医心方」は従五位下行鍼博士兼丹波介丹波宿弥唐頼が円融天皇天元五年(982)が編纂して永観二年に奉進して嘉賞された三十巻の書物である。現存する医書であり、わが国の医学発達の史料として最も珍重されているものである。
この医心方の内容はわが国の医史ですので機会があれば御一読願いたい。
また、京都御室仁和寺に秘蔵されている「黄帝内経素門霊枢」もわが国の大宝律令の医疾令においても医育にさいして教科書として用いられてきた。
明治二年までわが国の医療の主流であった鍼灸・漢方薬は現在の西洋医学とは診断基準が異なっておりますために、東洋医学に慣れていない方はどうしても西洋医学的な解釈で受け止めてしまう傾向にありますので、私どもは誤解を与えない様に注意を払って説明しておるところですがそれぞれの方の理解・解釈になってしまうこともある様です。
人は、自分の経験・知識の情報の範囲内にて物事を判断しますからその範囲外の事象は無ですから、無の人には情報が必要です。
自分が、経験・体験も無く物事を安易に非難することは悲しく思いませんか?
この世に生まれた時から全てを知っている人はおりません。皆一つづつ
覚えてきたのですから。
また、現在の医学も完成されたものでも有りません。未知なる事には常に謙虚でありたいものです。
お礼
ご回答有難うございます。 針灸の先生がおっしゃっている「肝臓(肝)が悪い」というのは、いわゆる東洋医学での話だと思います。 私も素人ですので、詳しくは分かりませんが、西洋医学と東洋医学では同じ肝臓でも捉え方が違うと聞いたことがあります。 実際、以前病院で検査をしましたが肝臓は西洋医学で検知では正常でした。