株価の板情報には、いくつかの決め事があります。
ご質問の「特」は『特別気配』の事でごわす。
以下は、東証を例にとってご説明します。
1基礎編
株価の板情報、決め事の3大最重要項目は、
(1)呼び値の「刻み」・・・これは、株価のレンジごとに決められています。
例えば、3,000円超~3万円以下は10円です。
(2)更新値幅・・・気配値には、一足飛びにジャンプできる上限・下限が
もうけられています。(正式名称:特別気配の更新値幅)
例えば、3,000円以上5,000円未満は50円です。
(3)制限値幅・・・ストップ高・ストップ安のことです。(詳細略)
2実践編I(寄り付いた後)
具体例で、今、SONYが3,720円(直前約定値段)で売買され、
売り板・買い板各10円刻みで10万株前後の指値注文が張り付いていたと仮定します。
図解
3,770 10万
3,760 10万
3,750 10万
3,740 10万
3,730 10万
--------------- 直前約定値段3,720円
3,720 10万
3,710 10万
3,700 10万
3,690 10万
3,680 10万
さて、この時、某大口ファンドが成行き100万株(1日の出来高は約500~1000万株)の
買い注文を入れました、
すると、次の約定値段は、3,720円+更新値幅50円=3,770円を超えて
約定されるおそれがあります。
この時、他の投資家が成行き注文等で不足の事態に合わぬよう、
また売買タイミングを取り易くするため、
取引所は、直前約定値段+更新値幅、この場合、3,770円に
買特別気配を表示し、大幅な気配値の変更を投資家に知らせるとともに、
売りを呼び込むための時間を設け、約定を一時的に
中断します。
(注意、更新値幅までの売り注文は、すべて約定されます。
この場合、3,730円~3,770円の売り注文はすべて約定され、他に注文が
飛び込んでいなければ、3,770円に残り株数の50万株と『特』の表示が
入ります)
通常は、すぐ売り注文が出てきて約定へと進みますが、
この再開した約定値段がいくらになるかは予断を許しません。
また、中には、5分間、買特別気配を市場にさらしても、
売り注文が出てこず、約定できない場合は、5分間隔で
この買特別気配を引き上げていきます。
3,770円→3,820円→・・・→ストップ高4,220円
この特別気配を引き起こす原因が、成行注文だけとは限りません。
極端な指値注文でも(誤発注でも)起こる可能性はあります。
また、ストップ高・安へと進むのか、単に大口の注文が入っただけなのか、
慌てず、冷静に見極め、板情報を観察することが大事です。
2実践編II(寄り前・寄付き)
さて、寄り前の場合は、直前約定値段を前日終値と読み替えて考えて下さい。
今、SONYの前日終値が3,720円であったとします。前日引け後に好材料が発表され
今朝は、寄り前から、大量の成行き買い注文が殺到しています。
9:00前の板は、
4,300 1万
4,250 1万
4,200 1万
4,120 1万
4,110 380万
---------------
4,000 800万
3,990 1万
3,980 1万
3,800 1万
3,750 1万
となっています。寄付き(及び引け)は『板寄せ』方式と言う売買方法で
価格を決めますが、このまま、売り方・買い方が拮抗する値段まで、板寄せを
を行い、初値を決めますと、更新値幅のルール、前日終値+更新値幅=3,770円を
はるかに超えた値段で初値が決まります。そこで、取引所は、同じ理由で、
9:00ジャストの板、
3,900 10万
3,880 10万
3,850 10万
3,820 10万
3,780 50万
--------------- 前日終値3,720円
特 3,770 1000万
3,760 1万
3,750 0.1万
3,720 0.1万
3,680 0.1万
と、9時ジャストに表示を切り替え、特別気配を表示して、
5分間隔で更新値幅(この場合50円ずつ)のルールに従って、
表示を変えて行きます。表示が高い値段になるにつれ、買い板が減り、
売り板が増え、(必ずそうなるとは限らない)やがて、どこかの時点で、
『板寄せ』が成立、初値が生まれることになります。
※9時ジャストに表示が切り替わる最後の板情報をメモることを
お勧めします。切り替わる直前の板をメモる事ににより、
概算ですが、成行き注文の数量を知ることができますし、材料のインパクトを
掴むことができます。
では、では、がんばって下さい。
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