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腱反射について
教えてください。 脳に機能障害があり、反射を抑制してしまうらしく?足に力が入りません。そこに、頚椎ヘルニアが出来ました。 足が異様に痺れるのですが、頸が原因だと、腱反射は必ず亢進するはずだが、 膝の反射を調べると亢進していないので、痺れは頚椎ヘルニアが原因ではないと言われています。 さて、このように2箇所で異常が起きた場合、腱反射はどちらの症状がでる物なのでしょうか。 足に近い頸ですか?それともそれより上位の脳障害のほうでしょうか。 足が痺れて困っています。本当にヘルニアは原因では無いのでしょうか。 どうか教えてください。
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何度も失礼します。続けて回答させて頂きます。 >(1)腰随に異常があって、足の反射が減弱している >(2)そこに頚椎椎間板ヘルニアが発症し、下肢に影響する脊髄障害が発生した。 >このような場合、足の反射は減弱、亢進、どちらになるのでしょうか。 >教えていただいた内容から推測すると減弱したまま、 >ということになり、正しい理解でしょうか。 ご指摘の通りです。 腱反射の機序を説明しておきます。 腱をたたくことにより、腱が一時的に急速に伸ばされます。このようにして急速に腱が伸ばされると(実際には腱にかかる張力を感知します)、それが信号となって、脊髄に向かって信号を出します。この信号は脊髄で2つに別れます。 一つは脊髄でUターンして信号を受け取った筋肉に向かっていき(反射弓と言います)、それ以上腱が引き延ばされないように筋肉を収縮させます。この「腱をたたくと筋肉が収縮する」という動きが腱反射です。 もう一つの信号は脊髄を上行して脳に達します。そこで脳は、腱反射を起こした筋肉が必要以上に収縮しないように、筋肉に収縮をやめるように命令を出します(抑制系の刺激)。この一連のやりとりで腱反射が終わるのです。 この反射弓よりも末梢を下位ニューロン、中枢を上位ニューロンといいます。解剖学的には前角細胞と呼ばれる部分を境にしています。 このようなしくみのために、下位ニューロンが障害されると腱反射を起こす信号そのものが伝わりにくくなり、反射が減弱します。上位ニューロンが障害されると、抑制系の信号が伝わりにくい為に腱反射によって起こった筋収縮が押さえられない、すなわち、亢進するのです。 したがって、頸椎椎間板ヘルニアによる脊髄障害(上位ニューロン障害)があっても、腰椎レベルでの神経障害(下位ニューロン)があれば腱反射の信号そのものが遮断されるわけですので、腱反射は亢進しないというわけです。 >頚椎ヘルニアの影響は、反射テストではわからない、ということになりそうですが、 >この場合、頚椎ヘルニアが神経に影響を及ぼしているかいないか、どうやって診断するのでしょうか。 これもご指摘の通りです。この場合の診断は腱反射だけでは困難になってきます。ただ、腱反射に異常を来しているような場合には他の神経症状(知覚障害、筋力低下)を合併していることもありますので、これらをチェックすることが診断の補助になります。また、脊椎には障害高位というものがあります。頚椎であれば障害の起こっている高さ(何番目か)によって上肢のどの筋肉が弱まり、どの部位に知覚障害が出て、どの腱反射が弱まり、どの腱反射が強まるか、というものが大体決まっています。ですから、頚椎の場合には下肢の腱反射の状態も重要な所見ですが、上肢の神経障害レベルを見ることも非常に重要です。高齢者の場合には頚椎のみならず腰椎も悪いと言うことはよくあることです。ですから、診断にはやはり上肢、下肢両者の神経所見(腱反射だけでなく、知覚障害、筋力低下も含む)を参考にします。また、下肢腱反射にも膝蓋腱とアキレス腱とがありますので、両者ともに減弱なのか、亢進なのか、どちらか一方なのかという事項も重要な所見です(腰椎障害がどちらか一方ならば他方は亢進していることもあり得ます)。典型的にはこのようになるはずですが、実際には教科書通りにならないこともよくあり、現場では診断に難渋することもよくあります。 少々(かなり?)ややこしい話になってしまいましたが、より消化してご理解頂くにはあえて説明した方がよいかと思い、回答させて頂きました。 ご参考になれば幸いです。
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- myachide
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No.1、No.2です。何度もすいません。 >あらゆる身体の検査をして、抹消でも脊髄でも脳(器質)でもない、 >という結論から先生は「機能障害」「異常興奮」という診断を >されたんだと思います そうでしたか、なんか複雑そうですね。少なくとも一般的な事柄ではなさそうですね。 しびれの存在がご心配のようですが、指摘されている脳の症状として出てくるものなのかどうか、ご相談されるとよいと思います。 複数カ所のしびれと腱反射低下を一元的に説明しようとすると、末梢神経障害があげられます。末梢神経障害が強いと頚椎に病変があっても腱反射は減弱します。これには有機化合物の中毒や、有名どころでは砒素中毒なんかがあります。また、多発性硬化症という病気も全身の神経が罹患する可能性がありますので、症状は多彩です。この辺は神経内科の守備範囲になります。 少し気になったのですが、現時点での診断は神経内科によるものでしょうか?もしそうなら専門外の私にはこれ以上の回答は難しいですが、違う科での診断なら一度神経内科にご相談されても良いかも、と思ったので、再再度追加発言させて頂きました。 どうぞ、お大事にしてください。
お礼
ご心配大変にありがとうございます。 たびたびのご返事、たいへんうれしいです。 診断ですが、神経内科、脳神経外科、整形外科、精神科すべて 受診し、多発性硬化症、CIDP他難病の検査を含め、やりきっています。 向精神薬などもいろいろ飲んでいますが、ある誘導体の亢進薬を飲むと 症状が再現するので、その受容体異常か、という推測もしています。 足の痺れは腰髄変性の可能性は示唆されています。以前に脊髄障害を負っているのでその後遺症かも、と。 しかしMRIに写らないレベルなので、結局確定診断には至らないのです。 非常にややこしい患者で先生方も困ってます。すみません。 現在もずーっと足の腱反射はダウンしたままです。 そこにヘルニアが出来たら、反射はどうなるのだろう、 それが最初の疑問でした。 ほんとややこしい質問で申し訳ありませんでした。
補足
もしまだこの質問を読んでくださっていて、お時間がおありでしたら、 最後にもう一回だけ教えていただけませんでしょうか。 (1)腰随に異常があって、足の反射が減弱している (2)そこに頚椎椎間板ヘルニアが発症し、下肢に影響する脊髄障害が発生した。 このような場合、足の反射は減弱、亢進、どちらになるのでしょうか。 教えていただいた内容から推測すると減弱したまま、ということになり、正しい理解でしょうか。 もしこれが正しい理解だとすると、頚椎ヘルニアの影響は、反射テストではわからない、ということになりそうですが、 この場合、頚椎ヘルニアが神経に影響を及ぼしているかいないか、どうやって診断するのでしょうか。
- myachide
- ベストアンサー率72% (229/317)
No.1です。 「脳に機能障害(異常興奮)」「神経伝達物質の乱れによる」「脊髄反射が異常に抑制されて」 ですが、脊髄反射というのはその名の如く、脊髄で起こる反射で、脳は反射の命令を下していません。 腱反射のメカニズムについて説明しますと、反射そのものは脊髄から信号が出て、筋肉を収縮させ、反射が起こります。この筋肉の収縮は脳から出た信号によるものではなく、前述の如く、脊髄から出たものです。脳には反射が起こった事実を示す信号のみが到達します。その信号を受けて、正常では反射をそこそこに止めるように脳が命令を下すのですが、脳や脊髄に障害があると反射を止める信号が伝わらないために反射が過剰に出るのであり、このことが反射の亢進として現れるのです。脳は、出た反射を止める信号は出しても、反射をなくす信号や増強させる信号を出すわけではないのです。ですから、脊髄反射が起こるレベルよりも上のレベル、すなわち、上位ニューロンが障害されると、腱反射が亢進するのです。 こういうわけですから、脳レベルでの器質障害、機能障害いずれであっても、脳そのものが関与することで脊髄反射が抑制されるという点についてはよくわかりません。脳からの神経伝達でなく、全身性の異常とか、あるいはビタミン不足など、他に腱反射を減弱させる要素が混合しているとか、そういうことなら理解できますが。すいません。 確かに首をそらすと足のしびれが増すというのであれば頚椎由来の可能性も十分にあるとは思いますが、脳が脊髄反射を抑制する、というメカニズムがいまいちよく分かりませんので、頚椎に病変があったときにこれがどのように作用するのかはちょっと分かりません。ちなみに、全身性の神経伝達不良がある場合には腱反射は頚椎病変があっても減弱するはずです(腱反射の信号そのものが伝わらないためです)。 典型的なものではなく、特殊な病態かもしれませんので、脳に関する診断をされている先生に一度ご相談なさるのがよいと思います。 お力になれず、すいませんでした。
お礼
ご回答ありがとうございます。 反射の仕組みがよくわかりました。 m> 正常では反射をそこそこに止めるように脳が命令を下すのですが、 m> 脳や脊髄に障害があると反射を止める信号が伝わらないために m> 反射が過剰に出るのであり、このことが反射の亢進として現れるのです。 m> 脳は、出た反射を止める信号は出しても、増強させる信号を出すわけではないのです 私の脳は、(頚椎ヘルニアが出来る前ですが)上位ニューロンの異常は (脳自体の器質的な障害も含め)ないので、反射が起きた信号は脳まで 伝わっています。 しかしその脳の反射抑制機能に異常があるらしい.... 反射をそこそこに止めてくれればいいものを、思いっきり抑制してしまい、 筋が弛緩したままになってしまう...のでしょうか??? (すみません、よくわかりません) とにかくあらゆる身体の検査をして、抹消でも脊髄でも脳(器質)でも ない、という結論から先生は「機能障害」「異常興奮」という診断を されたんだと思います。 まだ治療中なので本当のところどうなのかわかりませんが、 特殊なケースなのかも知れません。 教えていただいた反射の仕組みによると、 ・脳が反射を異常に抑える信号を出していたとしても、 ・頚椎に障害が出来た場合、そこで阻害され、反射がおきた信号は 脳まで伝わらず ・やはり亢進する ような気がします。 しかしじゃあいったいこの痺れの原因はなんなのか。 悩みは続きます。
- myachide
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少し誤解されていらっしゃるようですが、脳の障害がある場合、腱反射に異常が出るならば、これは「亢進」です。反射の抑制が抑制されるのです(ちょっとややこしいですが)。 腱反射の亢進は、専門用語を使うと、上位ニューロン障害というもので起こります。足に対する上位ニューロンは胸椎以上ですので、胸椎よりも高位である、頚椎に異常があっても、脳に異常があっても腱反射は「亢進」となります。 頚椎に腱反射亢進を来すべき異常があるのに、下肢の腱反射が低下している場合に考えられるのは、足に対する下位ニューロンである腰椎に障害があるか、腰椎以下の末梢神経に障害があるか、です。 足に力が入らない、ということですが、これが腰椎由来と言うことはないのでしょうか?足にしびれを来す場合、頻度的にも腰椎のことが多いと思うのですが。脳に障害があり、足のしびれを来していることが確定しているのなら、再度神経内科で系統的に調べて頂くことをおすすめします。
お礼
ご回答本当にありがとうございます。 (補足質問にかなりタイプミスがあって申し訳ありません。) 補足質問への「補足」ですが、患者(私)の自覚症状としては、 頸をそらすと足の痺れが強くなるため、頸が原因ではないかと 思うのですが、とにかく反射は減弱ぎみなので、医師は「絶対」 違う、との診断です。 脳の機能異常による反射の異常抑制という診断がもし正しいとしたら、 脳から抑制がかかっている状態で頸に異常が起きると、深部腱反射は どうでるものでしょうか。やはり必ず亢進するものなのでしょうか。
補足
ご返事、大変にありがとうございます。 実はとてもややこしいのですが、脳の障害というのは器質障害ではなく、 機能障害(異常興奮)というか、医師によると神経伝達物質の乱れによるものであり、 脊髄反射が異常に抑制されてしまって筋弛緩がおき、()足に力が入らないという発作が起きて しまうようなのです。(確定診断ではなく、「疑い」なのすが。) 今治療中ですが、効く薬がなく困っています。 ヘルニアのほうは(別の医師)絶対亢進するはずだから頸が原因でないとご回答者とまったく同じ診断を下されており、腰を調べましたが 異常がみつかりませんでした。 こういう場合、どうなるのか、ヘルニアの医師のほうは、脳の異常興奮という診断を受け入れていないので質問ができなくて困っています。
お礼
丁寧なご回答、大変にありがとうございました。また私にもよくわかる平易な説明で大変に助かりました。 回答を頂くたびに、新たな質問をしたくなり、医学の奥深さを実感しました。 これ以上は授業料をはらわないといけません。(教えていただけるものなら授業料をはらってでも教えて もらいたい気分ですが。) 足の痺れは両側性で、広範囲なので、脳の器質障害では無し、末梢も正常、かつ膝蓋腱とアキレス腱反射は 両方減弱なので腰椎(L2-L4?)の障害との判断だと思われます。 患者として自己診断すると、私は両足が二十四時間痺れていて、頸をそらすと痺れが強くなります。(両腕も実は痺れて 痛みがありますが、腕(肘)の反射は亢進していません。) 痺れが取れるものなら、頚椎ヘルニアの手術をしたいと思っていたのですが、痺れは腰随に原因があり、 頚をそらすと痺れが強くなるのは、気のせいか、他の原因かもしれず?、ヘルニアの手術をしてもやはり無駄かな、と 思いました。 残された可能性として、脳の「機能」異常により痺れが起こるものかは...わかりません。 脳機能障害に痺れの原因があるとわかったところで、先生には、それを治す薬は現在はない、といわれており、 私は当面の間、足の痺れと共に生活していきます。 現在研究段階の、脳のある受容体をコントロールする薬が開発されれば、私の悩みも消えるかも知れませんので、 今後の研究に大いに期待したいと思います。 先生方、どうかよろしくお願いします。 ありがとうございました。