>プロテクトのかかったCDでも、その中に入っている信号をそっくりそのままコピーしてしまえばまったく一緒のCDができるように思ってしまうのですがなぜできないんですか?
御想像の通り、まったく同一にコピーできれば(少なくとも実用上は)一緒のCDが出来上がります。
なぜコピー出来ないか?というのはいろいろ複雑になってきますが・・・
たとえ話ですが、紙幣をコピー機などで複製(法律で禁じられてますが)した場合、それは本物でしょうか?
最近のコピー機の性能を考えると見た目、といったレベルではかなり近い物が出来るでしょう。しかし紙質、インク等の違いにより本物ではない、という事は調べれば分かる事です。
しかし、見た目に関しては分からないレベルまで来ている、とも言えるわけです。
CDのコピーは通常はCD-Rにされます。当然見た目は違うわけですが・・・
データを読む、といったレベルでは(普通のディスクでは)違いは出来ません。
これがたとえ話で言った「見た目」に相当するわけです。
プロテクトではこの「見た目」以外の部分を用いて本物と偽物の違いを検知しています。当然、この「見た目以外の部分」まで複製できればコピーは出来るわけです。しかし一般的なCDのデュプリケートソフトでは「見た目」のコピーしか出来ず、プロテクトに引っかかるというわけです。
で、戻ってたとえ話。
んじゃ紙幣の元となる金型をコピーし、特殊なインクを用意し、造幣局と同じ環境を用いて作ったお札は偽物なんでしょうか?
意味論的に言えば偽物かもしれませんが、識別不可能なので一般的には本物となってしまうでしょう。
でも、実際問題として金型やインク等が手に入るか?というと手に入りません。
この手に入りにくさ自体がプロテクトなんです。
CD-Rの場合、この必要な金型やインクが簡単に手に入ってしまうためにいろいろ問題となるわけです。
(極端な話、コストや倫理を度外視すれば偽造不可能な物を作るという事は工業的には不可能です。すべて手工業で作るのなら別でしょうが、それだと揺らぎが発生するため識別方法にも揺らぎを許容する必要があります。そうすると模造品はその揺らぎ内で物を作ればいいだけです。)
結局この手のプロテクトは資本主義下ではコストで対抗するのしかないのでしょう。同じクオリティでコピーするより本物を買った方が安上がりなのであれば、普通は本物を買うでしょうから。(そんな物があるのか?というと身近な例では本などがそうです。疑問に思うのであれば本を全ページコピー機でコピーしてみてください。相当特殊な本でない限り通常はコピー機でコピーした方が本の定価よりも高くなるはずですから)