四季にあわせて思い出を語れ
なんてロマンチックなお題ですねぇ(^^;
ちょっと気取って書いてみましょう。
>春夏秋冬
>それぞれの季節、何を思い浮かべますか?
秋
高層ホテルの部屋から晴れ渡った夜空の下に、広大なラメの刺繍のような夜景が広がっていました。
私と彼女のはじめての夜。
部屋に持ち込んだ二本のワインをのみほし、ただひたすら二時間おしゃべりをすることでいつのまにか時間が過ぎていきました。
何を話したのか覚えていません。
おそらくお互いの身の上話のようなことを、語っていたのだろうと思います。
意識がぼんやりしかけてお互いの羞恥心がほどよく溶け出したころに、ベッドに腰掛けた彼女が、まるで貴婦人が差し出すしぐさで
目の前に手を差し伸べました。
私はその薬指にある指輪をゆっくりとはずし、彼女をベッドに横たえました。
薄明かりの部屋の外は、夜景が一層煌めいて、まるで空にそびえる大樹の幹にできた洞の中にいるような錯覚を覚えました。
空は相変わらず晴れ渡っていたけれど、虚空にむかってとめどなく落ち葉が舞っているような、そんな気配を感じました。
冬
夫の留守を幸いに彼女の家に泊まった翌日。
身支度を整えタクシーでターミナルのある駅まで出ると、携帯が鳴って父が急死したという知らせをうけました。
年末のあわただしい最中に葬儀をとりおこない、本当ならひとりで過ごすはずの年の瀬を落ち着かぬ思いのまま郷里ですごしました。
あとは離婚届を出すだけになった妻は葬儀の準備を手伝い、これで責任は果たしたというようにそそくさと帰っていきました。
私は、夫のいる恋人に深く魅かれていき、かねたからつきあってきたもうひとりの恋人と別れる決心をしていました。
あの年の冬は、私にとって大切だった人との別れが重なった年でした。
氷雨の降る夜に、私はもうひとりの恋人にウソの理由をならべて別れました。
これが自分の気持ちに正直に生きることだと冷酷な自分をゴマかしていました。
春。
江古田の駅から間もないところに小さな公園があってその先に、小さな川が流れています。
その川沿いに大きな桜の木があって、春ともなれば枝を川面に大きくたらして、そこに一面の桜の花が咲くのです。
川の脇に一本の露地があって、その先をさらに曲がった小路の角に彼女の家がありました。
彼女が風邪をひいて会社を休んだ日に、私は大きなカステラの箱を抱えてお見舞いにいきました。
一日眠ったらだいぶ具合がよくなったわ。
そういって彼女は、グレーのセーターを着て私を駅まで見送ってくれました。
舞い散る桜は、隠微な狂気を思わせます。
それから三日後の雨の夜更け、掛ってきた電話の声は涙に曇って聞きとりにくかったです。
「ごめんなさい。どうかしていたのね。ごめんなさい」
「どうしたんだ?今どこにいるんだ?」
「ねぇ、あなたもあんな風にして女の人を誘うの。ねぇ教えてよ」
彼女は酔いながら泣いているようでした。
夏。
ラスベガスでやったらさぞかし豪華にちがいないマジックショーをまじめくさった設えの東京フォーラムで見て、そのあと私は10ヶ月つきあった彼女と別れました。
浮気した彼女、フタマタかけていた自分。お互いさまのありきたりの結末なのかもしれないと思いながら、彼女の魅力から逃れられずに、あれから3月も過ぎてしまいました。
翌日の土曜、私は酒を浴びるほど飲んで、知り合ったばかりの痩せた女をタクシーに乗せ、自分のマンションに向かっていました。夜更けて雨足は激しくなり、雷鳴が轟いたのです。あまりに突然の嵐の到来でした。それは遅れてきた私の夏の終わりを告げるしらせだったのかもしれません。
お礼
春…春だけ何故「ご飯」!? 春といえば「たけのこ」ですよ! 私の大好物、たけのこ。煮つけがおすすめ。 春・・・「暖かくなったゾ!今日もたけのこが美味い!」 に、してください。 敏感に反応したくせに、私は「たけのこ」の存在を忘れていました… 夏…うなぎも好きなんですが、夏でしたっけ? 年中出回っているので季節がいつか覚えていませんでした。 秋…秋は秋刀魚ですね~、生さんまが好きです。塩は辛すぎます。 去年は5匹くらい食しました。今年も食べます。 冬…鍋ですか。 春に突っ込んだものの…よく見ると冬も曖昧ですね(^^; 冬といえば牡蠣やアンコウでしょうか。 あとはりんごにみかん。いちご… でも寒い冬はやっぱり鍋、かな? 回答ありがとうございました。