>推薦入試の「基準内申点」って単なるタテマエ?
そんなことはないでしょう。
私立は併願合格者のうち、どれだけ併願校を不合格になって入学してくれるのかを予測することがとても難しいのです。もちろん、合否結果が出てしまえばはっきりしますが、スタッフや学用品類の手配には、ある程度の時間が必要ですので、私立高校は、自分の学校に願書が提出された段階から、ある程度の計算を始めるのが普通です。
しかし、実は、願書が提出された時点では、もう遅いという側面さえあるのです。
「これは○○人くらい落とさないと入学者が増えすぎてしまう」ということになって、不合格者を多数出してしまったら、「あの学校は受験しても併願にならないからやめた方がいい」ということになってしまって、次の年から受験者を集めることが難しくなってしまうでしょう。
だからといって、「誰でも受かる」ということでは、入学者が増えすぎて、直接の監督官庁である都道府県から怒られてしまいます。最悪の場合は補助金カットというおしおきが待っています。
そこで、「基準内申点」のような形で、「これくらいの成績があれば必ず合格するから受験する」という判断を中学にしてもらうというシステムをとっている地域が多いのです。
推薦のみならず、一般入試でも基準があり、様々なデータから、中学校の先生や進学塾は、それをかなりの精度で予測していると思います。
だから、基準以下で受験する例がほとんどないし、その結果、不合格者もゼロに近いということになります。
つまり、不合格者はいないが、基準に達していないので受験させてもらえない(ムダと言われてあえて受験しない)人はたくさんいるということです。