株式投信売却時の「解約」と「買取」の違いは、利益が出た場合にその利益が、解約の場合は「配当所得」になり買取の場合は「譲渡益」となる点です。
では「配当所得」と「譲渡益」の違いはというと、配当所得は「源泉分離課税」になるのに対し、譲渡益は「申告分離課税」になります。
源泉分離課税は利益の発生時点で税金が銀行により源泉徴収され納税が完了します。一方、申告分離課税の場合は年間の通算損益を原則として翌年に確定申告して納税しなければなりません。
次に特定口座について。
「口座」とは、取引状況の記録簿のようなものであり、決して預金口座だけを指す物ではありません。もちろん預金口座も口座の一つですが。ちなみに、預金通帳は預金口座の記録を預金者に開示するための書類です。
あなたは現在、三井住友銀行に少なくとも2つの口座があるはずです。ひとつは普通預金口座。もうひとつは投資信託保護預り口座です。投資信託保護預り口座はあなたが三井住友銀行で購入した投資信託の記録簿です。
そして、特定口座とは金融機関毎に有価証券の譲渡損益を一元管理するための口座です。預金口座とも投資信託保護預り口座とも別物です。これは、投資信託保護預り口座があるからといって自動的にできるものではないので、銀行に自分の特定口座があるかどうか確認しましょう。
さて、先に書いたように、株式投資信託を「買取」で売却して利益が出れば確定申告が必要です。いつ幾らで買って、いつ幾らで売ったから、これだけの利益が出ましたと、証拠書類をそろえて申告しなければなりません。買ったときに銀行から「取引報告書」が届いているはずですが、それが買ったときの証拠書類です。そして、売却すればまた「取引報告書」が届きます。それが、売ったときの証拠書類になります。
特定口座があればそこに、いつ幾らで買って、いつ幾らで売ったかが記録されています。1月の終わり頃に、前年1年間の譲渡損益の一覧が載った「年間取引報告書」が届きます。これひとつで完全な証拠書類になりますから、手続きは簡単です。
さらに、特定口座を「源泉徴収あり」のタイプにしておくと、売却益の10%を銀行が源泉徴収してくれていますから、あなたは確定申告をする必要すらなくなります。
ですから、「解約」にして配当所得にしてしまうか、源泉徴収ありの特定口座を作ってから「買取」にしてしまうのが、手間という点ではお薦めです。
特定口座を作る必要のない「解約」のほうが簡単ですが、今からだと売却は来年ですから、来年1年間のうちに株式投信で今度は損失(譲渡損)が出た場合、今回「買取」にしておけばその時に相殺できます(税金が戻ってくる)。
補足
詳しく教えていただきどうもありがとうございます。 今、特定口座は銀行に照会したところ、ないとのことでした。 今後、他の投信について「損失」が出ている時には解約することはないと すると、(少額ですし、余裕資金ですので)、「解約」として 簡単な方を選んでも差し支え(確定申告などの面倒さ)はないと 考えてよろしいでしょうか? 何度もすみませんんが、よろしくお願いいたします。