スイスの銀行は、日本やアメリカなどに多いリテール(一般)向けの商業銀行や投資銀行(自らの利益の追求で、投資や投機を行うなも含む)ではなく、個人商店が発展した形のプライベートバンクです。
スイスのほかルクセンブルクも有名ですが、とくにスイスは政治的に中立の立場をとっていることもあり、外国に対して情報開示にも距離を置いています。
ですので、財産の出所や入金などの情報が外国にもれるリスクを契約者が恐れる必要が極端に低くてすみます。
また地理的にヨーロッパのどこへでも、同じくらいの時間で飛んでいける利便性があります。
一般の商業銀行や投資銀行は、「うちには○○という、とても利回りのよい金融商品があります」「系列の△△ファンドが人気があるので、投資してみませんか?」のような、商品の紹介や勧誘が主であるのに対し、プライベートバンキングは、「あなた(契約者)は、年利何%くらいをご希望されますか?」「5%でしたら、高金利の国債などもありますし、比較的問題はないと思います」「20%ですか?では、20%を達成するためのファンドをさがしますが、リスクも高いので逆に思ったほど利益が上がらないこともご承知ください」のような感じでヒアリングを終えると、彼ら独自のテクニックで運用を開始する、あなたは預けるだけ。そんな付き合い方をします。
そこでは、ノルマから系列の商品を紹介することもなく、積極的に顧客の求める運用方法を分析、追及しています。
そのかわり、運用が高いかわりに、手数料も多めにとられます。
また、初期預け入れ資産が高額であるため、運用がうまくいけば利益もかなりの高額になります。
その場合、プライベートバングは西欧の各名手、金融機関、イベント(たとえばF1)などとのつながりが強いため、顧客が「○○のオペラのチケット、自分では難しいので手にいれてください」とオファーがあると、ネットワークを使ってそれをとってくれます。
また、資産の利益の中から「毎年何%はユニセフに募金してください」というと、代わりに寄付行為もおこなってくれ、あなたは名前が寄付団体につたわりますので、「○○さんは、毎年寄付してくれている。一度セレモニーに呼ばないと…」。あなたは自分で振り込んでいるわけではありませんが、あなたの口座からあなたの名義で寄付がおこなわれるので、あなたの知名度があがります。
このようにあなたは資産を元手に預け、同時にプライベートバングのネットワークと手法をつかえます。金持ちたちは、お金とネットワークの力で、より豊かになれるので、スイスなどのプライベートバングを好んで使うわけです。
お礼
ありがとうございます。要点を突いていて、分かり易かったです。