髪の毛の専門家,理容師です。
シャンプーの頻度は,健常者の場合,性別と年齢によって変化します。
というのは,汚れるからシャンプーするのであって,その汚れが付着する原因は皮脂にあるからです。
皮脂の分泌量は,性別と年齢によって変化しますから,シャンプー剤の使用頻度も同じように変化するのです。
男性の場合
思春期~60歳前後 1日に1回
60歳前後以上 2~3日に1回
女性の場合
思春期~28歳前後 1日に1回
28歳前後~50歳前後 2日に1回
50歳前後以上 3~4日に1回
もちろん,これは,一般的な回答ですので,皮脂の分泌量に併せてシャンプーの頻度を増減しても構わないと思います。
また,スタイリング剤(整髪剤)を使用している場合,ワックスなど固めのものを使用している場合は,毎日,シャンプーする必要が出てきますよ。
ただし,脂漏性皮膚炎を患っている場合など,皮脂が原因で頭皮に炎症を患っているときは,皮脂を取り除きすぎますと,かえって逆効果になりますので,それぞれ1日ずつ,シャンプー剤の使用しない日を加えるようにしてください。
なお,シャンプーするのは,髪の毛でなく,頭皮をシャンプーするようにしてください。
頭皮をシャンプーすることで,皮脂が毛細管現象で移っていったところまでの髪の毛も洗うことが出来ますからね。
ロングヘアの場合は,頭皮を洗って残った泡を毛先に移動してシャンプーしてくださいね。
さて,koma24さんが悪いのではないのですが,koma24さんが書かれたことについて,少し反論しておきます。
まず,事前のブラッシングですが,ロングヘアでない限り,する必要はありません。
ロングヘア以外では,定期的にシャンプーしていれば,ほとんど,髪の毛は絡みません。
また,万が一,絡んだとしても,自然のすすぎ洗いで絡みはとれてしまいます。
ロングヘアの場合は,それだけでは絡みがとれませんので,ブラッシングが必要ですが,必ず,髪の毛を湿らせた状態で行うようにしてください。
乾燥したまま,無理にブラッシングしてしまいますと,髪の毛が傷んでしまいますからね。
インターネットのサイトやTVなどの放送では,単にブラッシングしろとしか言っていませんが,それでは片手落ちも良いところですよ。
次に,頭皮に直接シャンプー剤をつけるのは,絶対にやってはいけない行為です。
確かに,以前のシャンプー剤に比べれば,髪の毛や頭皮の保護剤を加えるなどして,高性能なシャンプー剤が増えていますが,全部のシャンプー剤がそうではないからです。
また,頭皮の保護剤が含まれているシャンプー剤を使用したとしても,シャンプー剤を頭皮に直接つけてしまいますと,どうしても,つけた部分のすすぎが不足してしまいます。
というのは,シャンプー剤には粘りがあるからです。
シャンプー剤は,水分に触れている部分から,水分に溶け出しますので,どうしても,頭皮に触れている部分が最後まで残ってしまいます。
これを完全に溶かしてしまうには,頭皮をゴシゴシと洗わなければならなくなってしまいます。
シャンプー剤が頭皮に残ってしまうと言うことは,その洗浄成分が持つ「脱水力」によって,角質から水分が奪われてしまい,角質がめくれてしまうことになってしまいます。
つまり,頭皮が炎症を患うと言うことです。
頭皮や髪の毛の保護剤は,その部分をカバーして,角質がめくれることで,角質の下にある表皮が空気の刺激を受けにくくしているだけです。(絶対に刺激を受けない保証はありません)
マウス実験ではありますが,保護剤入りシャンプー剤を直接マウスの肌につけるという実験を発表しているサイトの写真を見ますと,他のシャンプー剤に比べれば,まだ,軽度で済んでいますが,しかし,確実に皮膚が炎症を患っています。
この実験は,マウスで行っていますが,これが人間の頭皮で起きない保証は何処にもありません。
つまり,保護剤入りシャンプー剤であろうと無かろうと,頭皮が炎症を起こすという危険性は,程度の差はあっても同じなのです。
ですから,頭皮に直接シャンプー剤をつけることはやめた方が良いですよ。
では,泡立たせたシャンプー剤が頭皮に届かなくなってしまうのかというと,そういうことはありません。
泡立っていると言っても,泡は固形ではありませんから,その形状はいくらでも変化することが可能です。
吹き付けただけ,または,のせただけであれば,泡は形状を変化させませんから,もちろん,頭皮までは届かなくなるかもしれませんが,しかし,シャンプーするのですから,泡の外部から力が加わることで,泡は形状を変化させることが可能になり,頭皮にも充分届くようになります。
ですから,この心配をする必要はないのです。
確かに,「泡立てることによって空気のクッションをつくって髪の摩擦を減らすことが目的」というのは間違いではありませんが,髪の毛はシャンプー中も動くものであり,頭皮は動かないものですので,泡は変形しやすくなりますので,ちゃんと届くようになっているのですよ。
「地肌の汚れが残るほうが悪いとのこと」ですが,シャンプー剤の洗浄成分が頭皮に残る方が,もっと悪いことですよ。
だって,頭皮が炎症を患ってしまいますと,頭皮に汚れが残っているよりも脱毛しやすくなってしまいますからね。(炎症を治すために,髪の毛(毛根)に届くはずの栄養が奪われてしまいます)
ということで,シャンプー剤は水分にちゃんと溶かし,でも,溶かしただけのシャンプー剤では扱いにくいので,充分泡立たせるようにしてください。