アメリカに36年住んでいる者です。 私なりに書かせてくださいね。
私のプロフィールを見ていただけばお分かりになると思いますが、SWATの指導に関係して拳銃を使用します。 しかし、私の住居と警察管轄が2つの州にまたがっているため両方のまったく違った法律に基づいて行動しなくてはなりません。 さらに、ひとつの州では拳銃に弾丸を入れたまま運転していて手の届くところのおくことができないためトランクにいれていかなくてはなりません。
また、拳銃保持の法律がこの州では州の規制より、町や郡の規制の方を優先するため弾丸と拳銃を分けておかなくてはなりません。
このように州によってさまざまな規制がありライフルや散弾銃のような長い銃(long guns)のように一般的に規制の厳しくないところが多いですね。
ここははじめから銃の社会であったためいろいろな問題はありますが、割と社会的な問題はニュースで見られるように大きなものとは感じません。 大都会以外では日本人が思っているよりはるかに銃への理解と管理をしていると思います。 日本で今銃の所持を認め始めたらとんでもないことになるのとはまったく違った環境であるわけです。
しかし、各家庭に一丁、というイメージはあまりにも西部劇じみています。 私は357リボルバー、9mmせみオートマティック、22口径リボルバーを所持していますが、この住宅街(100軒ほどでしょうか)では拳銃を持っている人はもう一人だけです。
拳銃を触ったことも見たこともないという人のほうが多いと思いますよ。 日本で日本武道をしている人とまったくやったことのない人と同じような比率なんじゃないかな。 私の狩猟好きな友達を除いてほとんどの友達や知り合いは見たこともない部類に入ります。
しかし、SWATが必要となる要注意地区では各住居に2-5丁あると推測しています。 ほかの州の指導員はその地域によってこの推測数を変えています。 これは、大都市のシカゴなどでも同じことです。 一般住居地域と要注意地域の差がそれだけ激しいといえるかもしれませんね。
また、環境管理局の激しい規制のために室内射撃場が閉鎖されるという傾向になってきています。 いままでSWATが使っていた軍の室内射撃場まで閉鎖されました。 よって、ますます一般人が拳銃を使う、射撃するという機会が大変少なくなっているのも現状です。
さらに、必要になくなった拳銃を自主的に警察に差出す運動もここ20年ほど活発にやっている州が多いので一般人(要らないと感じてくれる人たち)の所持が少なくなっていることも確かです。 犯罪傾向のある人が手放さない、と言うことでもあります。 (ですから、警察官の安全指導ができる指導員も当然ながらさらに必要となるわけで、その指導員養成を私はしているわけです。)
ということで、どっちの州が多いでしょうかというご質問には「多分誰にもわからないだろう」というのが私の回答です。
これでいかがでしょうか。 分かりにくい点がありましたら、補足質問してください。